きめ細やかな制御が光る安全システム…メルセデスベンツ インテリジェントドライブ 体験

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「アダプティブハイビームアシストプラス」と「ナイトビューアシスト・プラス」を体験
「アダプティブハイビームアシストプラス」と「ナイトビューアシスト・プラス」を体験 全 12 枚 拡大写真

メルセデスベンツ・日本は、六本木のメルセデスベンツ コネクションに「インテリジェントドライブ ドライビング シミュレーター」を設置している。そのシミュレーターで、同社最新の安全技術を体験した。

人間以上の”目”を持ち、きめ細かな制御を実現

シミュレーターには「テストコースおよび市街地」、「夜間の郊外」、「高速道路」の3つのシチュエーションを用意されている。「夜間の郊外」で体験したのは「アダプティブハイビームアシストプラス」と「ナイトビューアシスト・プラス」。後者は新型『Cクラス』には搭載されていない装備となる。

まずは「アダプティブハイビームアシストプラス」。60km/h以上で自動的にハイビームとなるこのシステムは、周辺の状況に合わせてクルマが光軸を自在に調整するという特徴をもつ。前面に設けられたディスプレイには真っ暗な郊外のカントリーロードが映し出され、ヘッドライトの照らす箇所以外はほとんど見えないといった様子。しばらくすると対向車が来るのだが、対向車の方向に合わせライトが自動で照射範囲を制御。ライトが対向車を避けドライバーを眩惑させることがなくなる。この装置は対向車だけでなく前走車に対しても行われ、前走車をきれいに避けてライトを照射することも可能となっており、車速に応じてステアリングを切った方向にヘッドライトの向きを調節してくれる機能ももつ。

その次が「ナイトビューアシスト・プラス」。2種類の赤外線カメラを用いて前方の道路上に歩行者や動物が現れた場合ディスプレイ中央にナイトビュー映像を表示し、対象物を強調表示することでドライバーに注意を促す。

この機能にはヘッドライトと連動したスポットライト機能も付いており、人にはライトを点滅させることでドライバーと人、双方に注意を促し、逆に動物に対しては驚かせないようスポットライト機能は働かず警告のみの制御が行われる。人と動物をクルマ側がしっかり識別しているのがよくわかった。

メルセデスベンツ日本 広報の松浦友香さんは「ドイツでは鹿が非常に多く、ネズミなどの小さな動物には反応しませんが、クルマにぶつかると被害の大きいものは反応するようになっています」と教えてくれた。いつ出てくるかわからない動物との不慮の事故に対しても大きな効果を発揮するシステムだ。

疲労軽減にも効果的、360度の視野で被害を最小限に

メルセデスベンツの安全思想の1つとして、疲労・ストレスの軽減により事故を防ぐという考え方がある。最後の「高速道路」で体験した「ディストロニック・プラス(ステアリングアシスト付)」「アクティブレーンキーピングアシスト」「アクティブブラインドスポットアシスト」は事故だけでなく、疲労軽減にも効果的だった。

まずは「ディストロニックプラス」。ステレオカメラと各種レーダーを組み合わせ、車線の逸脱防止や前車に追従する機能を体験できるのだが、注意してハンドルからの感触を確かめてみると車両が優しくハンドル操作をアシストしている。これなら何もしなくても目的地までたどり着けるのではないかと思い、わざとハンドルから手を離してみたが、ハンドルから手が離れると警告音が鳴りクルマ側に怒られ慌てて手を戻すそんな一幕も。松浦さん曰く「完全な自動運転ではないので、両手がハンドルから10秒離れると警告音が鳴り、さらに5秒ほど経つとアシストは解除されます」とのこと。しかし高速道路では違和感なく自動運転が可能でありメルセデスベンツが誇る技術の一端を垣間見ることができる。

松浦さんは「技術的には可能なのですが、日本の法規上はあくまでもドライバーの管理下になくてはならないのでステアリング”アシスト”という名前が付いてます」と語る。

続いて体験した「アクティブレーンキーピングアシスト」もブレーキアシスト同様段階を追って制御してくれる。ゆっくりと車線に近づくとアラームとハンドルの振動により警告。それでも戻らない場合は片側にブレーキをかけゆったりと位置を修正。「アクティブレーンキーピングアシスト」の場合、車線が点線か実線かでも制御が異なり、点線の場合は走行するクルマがいない場合は警告まで、実線の場合はブレーキの介入まで行う。

これは「アクティブブラインドスポットアシスト」も同様で、ミラーの死角にいる車両に対し、初めはミラー内に赤いシグナルを点灯させ注意を促す。その状態でウインカーを作動させるとシグナルが点滅し同時にアラームを鳴らす。衝突の危険が迫るとブレーキを作動させ衝突を回避するのだが、ここでも段階を追って制御することで、ドライバーとコミュニケーションを取りながら車両を制御しているかのような感覚に陥る。

このように事故そのものを減らすだけでなく、ドライバーに余計な負荷をかけず気持ちよく運転することが長距離運転での疲労軽減につながり、結果的に事故を起こす確率も減るというわけである。

安全技術の多くは”万が一”への備えであり全てを体験する機会は決して多くはない。しかし誰でも手軽、かつ安全に体験できるというのは貴重な機会である。インテリジェントドライビングシミュレーターは9月末まで体験することができる。料金は無料。

《橋本 隆志》

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