【エヌプラス14】より振動吸収性を高めるべくゴムも進化

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ロバンプのボールと普通の合成ゴムのボールを落下させた状態。合成ゴムは大きくバウンドしたのに対し、ゼロバンプはほとんど反発しない
ロバンプのボールと普通の合成ゴムのボールを落下させた状態。合成ゴムは大きくバウンドしたのに対し、ゼロバンプはほとんど反発しない 全 3 枚 拡大写真

9月17日から19日まで、東京ビッグサイトで開催された先端素材と技術の複合展「N+(エヌプラス)」。

ゴムと言えばサスペンションのブッシュやマウントなど、金属部品の間に挟み込むことで振動や衝撃を吸収させるために用いるマテリアルだ。ゴムの種類は色々あるが、基本的にはゴムの硬さや形状を工夫することで振動を吸収させている。これは振動という運動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収しているのだ。

霜田ゴム工業と木曽興業が共同開発したゼロバンプは、熱エネルギーに変換するだけでなく圧電性素材や高誘電率誘電体をゴムに添加することにより電気エネルギーとしても吸収させ、さらに扁平状の無機フィラーの向きを揃えて配合することで、従来ゴムの2倍の振動吸収性を実現しているそうだ。

無機フィラーは一定の方向に対して引っ張り強さを発揮する繊維のようなもの。圧電性素材と誘電体によって生じる電気も結局熱として吸収されることになるが、普通のゴムよりも色々な方法で振動を吸収しているため、吸収性が高いのだとか。

その振動吸収力を比べるために、従来の合成ゴム製のボールとゼロバンプ製のボールを同じ高さから落としてみると、合成ゴム製は高く弾むのに対し、ゼロバンプ製はほとんど弾まなかった。異素材を配合させる分、純粋なゴムと比べどうしても硬くなってしまうが、振動の吸収性は抜群。従来は難しかった100Hz近辺の振動も吸収できるそうだ。

さらに従来、押しボタンスイッチの内部などに使われてきた導電ゴムも霜田ゴム工業の得意分野。幅広い導電特性を追求し、最近ついに5Ωの低抵抗ゴムを実現している。今後は絶縁と導電の2つのゴムがEVに多用される時代になるのでは、と同社も期待している。

《高根英幸》

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