【レクサス NX 試乗】ハイブリッドも「Fスポーツ」が正解…松下宏

試乗記 国産車
レクサスNX
レクサスNX 全 13 枚 拡大写真

レクサス『NX』にはハイブリッド車のNX300hも設定されている。直列4気筒2.5リットルエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせた仕様は『カムリ』に搭載されているのと同じもので、4WD車には後輪用のモーターも加わる。

発生する動力性能は直噴ターボよりもハイブリッドの方が低いが、200tと300hというグレード名からも分かるように、あるいは価格設定が示すように、NX300hの方が上級モデルに位置づけられている。

NX300hの走りは質感に優れたものだ。発進を電気モーターだけで行い、静かにするすると走り出していく。エンジンがかかった後の低速域でのトルク感のある走りも好ましい。アクセルを踏み込むとハイブリッドの特性を生かして静かで滑らかに加速していく。いかにもプレミアムSUVらしい走りのフィールである。

NX300hではスポーティな仕様の“Fスポーツ”にも試乗した。スペックなどを見ると標準仕様との違いはそう大きなものではないが、ワインディングを走らせると、コーナーでの挙動がより落ち着いた感じになり、一段と安定感のある走りを示すからだ。

標準のNXに対し、AVSやパフォーマンスダンパーなど、充実した仕様が盛り込まれていることが、走りの良さにつながっている。NXを買うなら200tを選ぶにしても300hを選ぶにしても“Fスポーツを選択するのが正解だと思う。

操作系では新しいタッチバッド式のリモートタッチが採用されていた。従来は小さなレバーを動かすタイプのリモートタッチだったが、今回はレバーを廃止して平面のパッドをなぞって操作する方式に変わった。

短い試乗時間だったのでいろいろ試すことはできなかったが、これまでの仕様に比べて必ずしも操作性が高まった感じではなかった。むしろ前の仕様に慣れてきたところなのに、というのが使ってみての正直な感想だった。この仕様も慣れれば変わるのかどうか。

価格設定はかなり高めの印象だ。入念な作り込みによってしっかりした走りを示すクルマだけに、価格が高くなるのは仕方ないことでもあるが、それでもやや高すぎる感じがする。

というのもNXでは先進の安全装備はすべてオプション設定になっているからだ。プレミアムブランドを掲げるなら、プリクラッシュ・セーフティシステムなどは全車標準にしてほしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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