危険ドラッグ使用のタクシー運転手、事故を起こさずも逮捕

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今年8月、危険ドラッグを吸引した後にタクシーを運転していたとして、警視庁は26日、54歳の元タクシー運転手の男を道路交通法違反(過労運転禁止)容疑で逮捕した。常習性が認められることから、事故を起こしていないケースで初の逮捕となった。

警視庁・交通執行課によると、逮捕された男は2014年8月7日の午前4時10分ごろ、東京都大田区田園調布1丁目付近の区道で、危険ドラッグ(脱法ハーブ)吸引後にタクシーを運転した疑いがもたれている。

ハザードランプを点灯させたままのタクシーが急発進する様子をパトロール中の警官が確認。犯罪に巻き込まれた可能性があるために追跡したが、タクシーが蛇行運転を繰り返したことから抑止し、運転者に対する職務質問を実施したところ、危険ドラッグ使用が発覚した。

男は前日(6日午後)に東京都豊島区内で危険ドラッグを購入。業務としてタクシーを約15時間に渡って運転し、勤務の合間にドラッグを吸引。吸引後も約10人の客を乗せていた。

任意の聴取に対し、男は「使うと頭がすっきりするので、約半年前からドラッグを使用していた」と供述。実際の事故は起こしていなかったが、薬物使用の常習性が認められることから、道交法違反での逮捕に踏み切った。

警視庁は今年8月以降、危険ドラッグの成分分析を待たず、所持だけで逮捕するようにしたが、今までは実際の事故が起きて発覚するケースのみだった。実際の事故が起きていないにもかかわらず、ドラッグ使用や所持の確認で逮捕するのは今回が初めて。

《石田真一》

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