【フォード フィエスタ 試乗】嬉しい装備が充実、もっと知名度上がっていい1台!…竹岡圭

試乗記 輸入車
竹岡圭氏とフォード・フィエスタ
竹岡圭氏とフォード・フィエスタ 全 19 枚 拡大写真

実はフォード『フィエスタ』は「おぎやはぎ的カー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれたんです! って、いきなり言われても何のこっちゃ? ですよね。

【画像全19枚】

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが実はワタクシ、3年ほど前から「おぎやはぎの愛車遍歴NO CAR, NO LIFE!」という番組のMCとして、おぎやはぎのお二人と一緒にやらせていただいているんですね。あのお二人は相当クルマ好きなんですが、何を隠そうフィエスタには乗ったことがなかったんです。私が「最近のフォードはすごくイイ! 『フォーカス』もフィエスタも『エコスポーツ』も、すご~くよく出来てるんだってば」とあまりに言うので、気にしてくれてはいたようなんですが、実際、どれくらいイイのかは疑問符だったようなんです。やっぱりフォードってSUVのイメージが強いらしく、いわゆる乗用車、なかでもコンパクトカーの印象はかなり薄かったみたいなんですよね。

でもこれ、世間一般の認識なんだと思います。フィエスタは日本に導入されたものとしては、これで2世代目となるんですが、まだまだ市民権が低いのが現状。世界的に見ると、Bセグメント販売台数世界第1位、車名別世界販売台数第6位。という輝かしい数字を打ち立てている、世界140地域の人々が認めたヨーロッパフォードの実力派なんですけどね。

どの辺りが世界でウケているのかというと、最大の美点はやはり走りの良さだとは思うんですが、デザインもかなり個性的です。フォーカスや『クーガ』にも採用されたキネティックデザイン。止まっていても動きを感じさせるあのデザインですね。フィエスタではさらにそれを進化させて、力強さが強調されています。特に日本仕様は、大型ルーフスポイラーを始めとするエアロパーツ類も標準装備となっていますから、主張が強いんですよね。

それに合わせたのでしょう、インテリアもスポーティかつ、未来的な印象も受ける最近のフォードっぽい雰囲気ですが、いちばんの魅力は質感の高さだと思います。ポケットエリアなどは全般的に輸入車が苦手とするところなので、飛び抜けて豊富というわけじゃないですが、必要最低限は満足できるハズです。ちなみに基本的なパッケージングとしては、居住空間は十分広いし、ラゲッジもこのクラスの中では大き目な方。かなりバランスよく仕上げられています。

そして、スゴイのが装備なんです。8スピーカーのソニーのプレミアムオーディオを始め、オートキーレス&ライト&ワイパー、リバースセンシングシステムにリアビューカメラ等々、これあると嬉しいなぁ~というものが標準装備。お買いもので荷物を抱えていることが多い、トンネル内でいちいちライトを点けるのが苦手、突然の雨だとそれだけでオロオロしちゃう、駐車はとにかく苦手…なんていう方も特に女性には多いと思うのですが、これなら安心。かなりコストバリュー高いんですよね。

加えて、これまた女性に嬉しいのが、キャップレスの給油口。最近セルフのガソリンスタンドが増えてますが、女性はコレが苦手な方が多いんです。フルサービスが当たり前だった日本はもちろんのこと、セルフに慣れてきたはずのアメリカの女性も、やっぱり苦手と思っている方が多いんだそう。日々使うクルマだからこそ、そういった負担を細やかな心遣いで減らしてくれるのは嬉しいですよね。また、女性と言えば安全装備を気にされる方が多いのですが、衝突被害軽減回避システムや7つのSRSエアバッグなど、こちらも万全の標準装備です。

とはいえ、そういった安全装備は使わなくてすむのがいちばんですよね。それにはやはり走りがよくないとダメ。この走りがよいという言葉は、ただ乗ったら速いとかいう風に誤解されがちなんですが、自分が思った通りに安心して操れるというのが、この場合の走りのよさに当たります。自分が思った通りにクルマが動いてくれれば、万が一の安全装備が働くシーンも少なくなりますからね。そこがやっぱりいちばんの安全装備だと思うんです。そしてさっき誤解を招くと言いましたが、フィエスタには速さも備わっているんですよ。

というわけで、何を隠そう、その走りのよさこそが「おぎやはぎ的~」を受賞した理由。コンパクトで扱いやすいボディサイズ、直列3気筒1リットルターボエンジンとは思えないほど力強く、オマケに奇数気筒数がゆえの気になる微振動もないパワートレイン。燃費のよさも好印象の6速DCT。ハンドリングはもとより、45扁平タイヤを履いているとは思えないほど乗り心地はしなやかと、メチャクチャ完成度高いんです。あとは、アイドリングストップシステムさえ付けば、もう言うことナシなんですが、もうなんかそれくらいは自分でやればいいかな? と思わせちゃうくらいのバランスのよさなんですよ。日本でももっともっと、知名度上がっていいと思える1台だと言いきっちゃいましょう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

竹岡圭|モータージャーナリスト・タレント
「クルマ&カーライフは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走って」を実践する女性モータージャーナリストとしてカーライフ全般を女性の視点からレポートする。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦するなど、硬軟幅広く携わる。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)理事、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《竹岡圭》

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