歩道通行が強制される国道4号線、危険回避のためには

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千住新橋南詰では、自転車に乗ったまま歩道を下る姿をよく見かける
千住新橋南詰では、自転車に乗ったまま歩道を下る姿をよく見かける 全 6 枚 拡大写真

僕が自転車で都内に向かうとき利用する国道4号線(日光街道)、そこには2カ所の“鬼門”があります。荒川に架かる千住新橋と隅田川に架かる千住大橋です。それがなぜ“鬼門”といえるのか? この場所での自転車の通行方法について、まず説明しましょう。

両橋とも手前に「自転車通行止め」の規制標識があり(千住大橋の下り路線を除く)、車道(本線)を走ることはできません。そのため千住新橋では側道を進み、歩道に上がってから橋に向かってスロープを上ります。ここには「自転車はおりておわたりください」とあるものの、多くは自転車に乗ったまま。自転車対歩行者、あるいは自転車同士の衝突事故が懸念されます。

橋上も自転車通行止めが続くため、そのまま歩道を進むことになります。距離が長く道幅も広いせいか、義務であるはずの徐行をしている自転車は皆無。橋を渡った先のスロープも標識を無視し、乗ったまま下っていきます。

千住大橋の上り路線にも問題が多々あります。千住新橋と同様に側道を進むと、そこには逆走する自転車が。進行方向(上野→北千住)左端が走りづらいためでしょうか。突き当たりが一旦停止の交差点となり、渡った先で歩道に上がるとすぐに右折。次いでS字となったスロープを上ります。が、ここも見通しが悪いうえ自転車のすれ違いがひんぱんにあり、いつ事故が起きてもおかしくありません。橋を渡った先のスロープも同様です。しかも側道の先にある南千住交差点は、第一通行帯(左端の車線)が左折のみ。南千住に向かって左折するクルマは数が多く、直進がためらわれます。

このように現状の自転車通行方法は、多くの危険(特に対歩行者)をはらんでいます。しかも道路交通法や自転車安全利用五則に示された車道の通行ができず、結果的に歩道通行を強制されてもいます。いくら「歩道と車道の区別のあるところは車道通行が原則」(自転車安全利用五則)といったところで、それに反することを道路管理者(東京国道事務所)や地元の警察署(西新井警察署と千住警察署)が定めていては、自転車利用者は戸惑うばかりでしょう。

ではどうしたらいいのか? まず本線に向かって側道を渡る部分に自転車ナビラインを設置し、側道を進むクルマに対する注意喚起を図ります。さらに交差点の信号機に、直進のみの矢印灯(側道への進入不可)を追加すれば万全。路肩が狭い千住新橋の下り路線と千住大橋の上り路線は車両通行帯を見直し、広げたところに千住新橋上り路線とあわせて自転車レーンを設けます。

どうでしょう? これだけのことで車道(本線)を走る自転車はもちろん、なによりも歩行者の安全が確保され、道路交通法や自転車安全利用五則に従った走行ができるわけです。

なおこの件に関する書面を、東京国道事務所と西新井・千住の両警察署に送りました。それぞれ話をうかがうことができましたら、改めてこのコラムでお知らせします。

【澤田裕のさいくるくるりん】歩道通行が強制される国道4号線(千住新橋・千住大橋)。その現状を変えるには?

《澤田裕@CycleStyle》

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