【ミシュラン X Oneユーザーミーティング】1軸あたり157kg減、燃費最大9%アップ…シングルタイヤを推す理由

自動車 ビジネス 企業動向
ミシュラン X Oneユーザーミーティング
ミシュラン X Oneユーザーミーティング 全 14 枚 拡大写真

3日に開催された「X Oneユーザーミーティング」では、ミシュランのワイドシングルタイヤ『X One』の機能や特徴が詳しく紹介された。シングルタイヤ導入によって、現在運送業が直面しているさまざまな問題に対処できるというのだ。

【画像全14枚】

現在大型車両輸送において、「ドライバー不足、車両の重量化、燃料費増大、ドライバーの労務環境問題など、多くの課題を抱えている(ミシュランタイヤ 執行役員 高橋敬明氏)」という。ドライバー不足は、トラックの稼働率を上げることができず、1回あたりの輸送量を増やすことになる。そのため、総重量規定のある大型トラックの場合、荷物以外の重量は極力低くしたいのだが、車両そのものは重くなる傾向にある。燃料費の増大についてはいうまでもないことだが、来年には消費税アップの予定もある。そして、これらの状況が既存ドライバーの労務環境の悪化につながっている。

この問題に対して、トラックの車両本体側にできることは、輸送効率を上げ、車両の信頼性を高めることだ。それには、車両の軽量化、メンテナンスやラニングコストの低減が重要なポイントとなる。ミシュランは、そのソリューションのひとつとしてワイドシングルタイヤを提案している。「高荷重・高性能なワイドタイヤでダブルタイヤをシングル化すれば、転がり抵抗の低減、軸あたりの重量減、それにともなう積載量アップ、交換や保存などメンテナンスコストの大幅ダウンが期待できる」と高橋氏はいう。

ミシュランは米国エクソンモービルの依頼をもとにX Oneを開発し2001年に市場投入した。2006年にはアジア、翌2007年には日本市場にもX Oneを展開している。とくに米国ではエクソンモービルでの成功を期に、着実に市場シェアを伸ばしており長距離トラックのワイドシングル化が進んでいるという。

X Oneで用意されているサイズは455/55R22.5で、トレーラー用1タイプ、駆動軸・トレーラー用2タイプがある。これは11R22.5、275/80R22.5といったタイヤサイズに適合するものだ。なお、ハブはISO 10穴タイプならばそのままシングルタイヤ化ができるそうだ。

 軽量化や燃費性能について、具体的にどれくらいの改善が見込めるのか。この点については、例えば11R22.5のダブルタイヤ(1軸に左右で4本のタイヤが必要)に対して、アルミホイールを装着したX Oneは、1軸あたり157kgの軽量化になるという。燃費改善の事例としては、DOE(米エネルギー省)の公表している数字でトラクター、トレーラーともにシングルタイヤ化した場合で9.2%の改善が見られたという(ミシュランタイヤ 技術部 部長 大江一孝氏)。トレーラーをシングルタイヤ化すると、シャーシの設計に自由度が増し、積載スペースを広げたり、各種機構を組み込む余地も生まれる。

ただ、シングルタイヤとなると気になるのは耐久性や荷重能力のダウンだ。X Oneではトレッド面内部にインフィニコイルという補強を施し、ワイド化によるトレッド中心部のせり上がりや接地面のたわみを防いでいる。ケーシングの耐久性もアップさせている。そのため、455/55R22.5のタイヤで5,000kgの荷重能力を確保し、平均的なワイドシングルタイヤと同等かそれ以上の性能を確保した(大江氏)。

なお、X Oneはリグルービング(溝の堀直し)可能だそうだ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 初代より軽い? 次期スズキ『アルト』は500kg台が目標
  2. 三輪ソーラーEV『スリールオータ』、欧州の型式認定取得…記念モデルを限定30台で国内発売
  3. ホンダ『ZR-V』と『シビック』の1万4730台をリコール、座席が保安基準に不適合
  4. BYDの軽EV『ラッコ』、発売1週間で741台を販売 東福寺社長「12月末までに1万台に」
  5. トヨタ『GR86』に先代の限定色「ソリッドグレー」が復活、一部改良で走り&アイサイトが進化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. KYB、パワースポーツ車両向けEPSを米ポラリス社のオフロードビークルに展開
  3. BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]
  4. 機械式駐車場の最適化コンサル、マンション管理組合向けに新サービス開始…さくら事務所
  5. 大和ハウスベンチャーズ、自動運転幹線輸送のT2に出資…レベル4実現へ
ランキングをもっと見る