【VW e-up! 試乗】外連味なく、さりげなく使えるEV…鈴木ケンイチ

試乗記 輸入車
VW e-up!
VW e-up! 全 7 枚 拡大写真

2014年10月14日、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは、『e-up!』と『e-ゴルフ』の日本導入発表会を、東京・秋葉原にて開催した。イベント後に実施された試乗会に参加することができた。短い限られたコースでの試乗であったが、その走りをレポートしたい。

【画像全7枚】

試乗できたのは、来年2月から発売が開始されるe-up!だ。このモデルは、EV専用の車体ではなく、すでにリリース済みである『up!』がベースとなっているのが特徴だ。これは、EVを特別な存在とはせず、ガソリン・エンジン、ディーゼル・エンジン、ハイブリッドと同列となるパワートレインのひとつに見るという考えが、フォルクスワーゲンにあるからだという。そのため、up!や『ゴルフ』といったMQBプラットフォームを採用したモデルは、最初から電気自動車化を想定して開発が進められたという。

その証拠に、この電気自動車化されたe-up!は、後部座席下にリチウムイオン電池(18.7kWh)がきれいに納められており、トランクスペースはまったく犠牲になっていない。厳密にいえば後席の座面が4cmほど高くなっているそうだが、実際に後席に乗ってみても、違和感はまったくなかった。

運転席からの眺めも、通常のガソリン・モデルのup!とほとんど変化がない。若干異なるのは目前のメーター内の表示くらい。また、ステアリングやシフトブーツにあしらわれた青いステッチが数少ないEVの主張であった。

走り出しのクリープは作られていた。スッとクリープを使いながらスタート。5ナンバーであり車両重量1160kgという小柄で軽量な車体に、最大トルク210Nm/0~2500rpmのトルクであるから、その加速は力強い。

航続距離を伸ばすために、モーターはノーマル(最高出力60kW)/エコ(50kW)/エコ+(40kW)に切り替えることができる。しかし、出力を抑えたエコ+でも市街地の流れを軽々とリードする加速を見せる。そのときの静粛性の高さは、さすがに電動自動車というもの。

足回りは、それなりに締め上げられていたようだが、試乗コースは舗装の状態が良いためもあってか、不快感はほとんどなかった。また、回生ブレーキの効きの強さはシフトレバーの操作により4段階に変更できる。もっとも弱いモードでのフィールは、ガソリンエンジン相当。もっとも強いモードは長い坂などで利用するようなもの。その下の3段目の強さにセットすると、街中の加減速をアクセルペダルひとつで調整できる。ドライバーが好きに選べるのが魅力だ。

ほんのわずかの間であるが、e-up!は静粛性と力強い加速、重厚感のある乗り心地といったEVらしい走りを備えていることがわかった。しかし、EVらしさは走りだけであり、5ナンバー車らしい取り扱いの良さとルックスは、普通のup!そのもの。「EVに乗っている!」ということを強く主張するのではなく、「さりげなくEVに乗りたい」という人におすすめだろう。

《鈴木ケンイチ》

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