鉄道総研とJR貨物、機関車の空転抑える新制御方法を開発

鉄道 テクノロジー
HD300形に負荷用のEF65形2両を連結して実施した新制御方法の走行試験の様子。けん引力が5%以上向上した。
HD300形に負荷用のEF65形2両を連結して実施した新制御方法の走行試験の様子。けん引力が5%以上向上した。 全 1 枚 拡大写真

鉄道総合技術研究所(鉄道総研)とJR貨物は10月14日、インバーター制御の機関車のけん引力を向上させる、新しい制御方法を開発したと発表した。

機関車けん引方式が一般的な貨物列車では、悪天候などにより車輪~レール間の摩擦係数(粘着力)が低下すると、機関車の駆動軸が加速時に空転する頻度が高くなり、けん引力が十分に発揮できなくなる。今回開発した新制御方法をインバーター制御の機関車で採用することにより、けん引力の向上が可能になるという。

両者によると、新制御方法は東芝の協力により開発。空転の収束を早期に検知し、車輪の空転を防止するトルク制御(再粘着制御)による余分なトルクの引き下げを軽減する。また、空転軸が引き起こす振動などによって他の車軸に空転が誘発される現象を抑え、空転の頻度を低減する。

新制御方法を導入したHD300形ハイブリッド機関車に、負荷用としてEF65形電気機関車を2両連結して走行試験を実施したところ、発車時の再粘着制御の動作回数は約2割低減し、けん引力も5%以上向上した。JR貨物はHD300形ハイブリッド機関車の全機に新制御方法を導入するほか、新製機関車や他の機関車での使用も検討するとしている。

《草町義和》

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