電気自動車で栗ごはんは炊けるのか? 三菱 アウトランダーPHEVで秋の味覚、食べ走り

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電気自動車で栗ごはんは炊けるのか? 三菱 アウトランダーPHEVで秋の味覚、食べ走り
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「行楽の秋」を楽しむ時、クルマは欠かせない相棒のひとりになってくれるだろう。そしてその相棒がもし最新の電気自動車だったなら…? というわけで今回は、アウトドア派に人気の三菱車の中でも、充電できるプラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』で行楽の秋だけでなく「食欲の秋」も楽しんでしまおうという目論みだ。

アウトランダーPHEVは満充電で60km以上走行できるだけでなく、メーカーオプションの100VのAC電源コンセントによって家電製品を使うこともできる、先進の電気自動車だ。バッテリーのみで一般家庭の電力消費量の約1日分相当、発電用(走行にも使用)エンジンを使うことで約10日分もの電力をまかなうことができ、非常時はもちろん、アウトドアレジャーでも活躍すること間違いなし!

秋の味覚といえば…栗!そしてキノコ! 今回は、アウトランダーPHEVに装備された電源を使って、これらの食材を電気で調理し食欲の秋を満喫することにする。東京の喧噪を離れ、向かう先は群馬県山中のとある農園。「栗ひろい放題」のコピーに誘われるがままに、およそ150km、約2時間、アウトランダーPHEVを北へと走らせた。ドライバー兼栗ひろい要因として、都内のIT企業に勤める自称「アウトドアラー」の田中さんに同行いただいた。とれたての秋の味覚を楽しめると聞いて、鼻息は荒い。

80kmほど走りアウトランダーPHEVの電池残量も空になったところで、クルマとドライバーの充電を兼ね関越道・上里SAで一休み。ここでは、特別な会員などではなくてもスマートフォンで認証するだけで無料で急速充電することができた。8割ほど充電したところで、なんともう一台のアウトランダーPHEVが登場。クルマから降りた老夫婦は、三菱ディーラーの1泊2日無料レンタルを活用して新潟までドライブに行くのだとか。「室内は広いし走りが良くて、いいねぇ」と旦那さん。充電をしているだけで、見ず知らずの人たちと会話が弾むのは、電気自動車ならではの特権だ。

ふたたび高速を走り、渋川・伊香保ICからは一般道。めざす農園まであと一歩…というところで、電池残量がほぼ空になっていることに気付き、道中のコンビニエンスストアにある急速充電を活用する。せっかく栗をひろっても、調理する電気がなければオシマイだ。ちなみにアウトランダーPHEVには、電池残量を維持しながらエンジン走行する「セーブモード」も備わる。ガソリン消費を気にしなければ、積極的に活用するのもアリだろう。

たっぷりと調理ができるだけの充電を終え、いざ栗農園へ。「花と湯の町」中之条にほど近いこの農園では、栗だけでなくシーズンにはリンゴやキノコ狩りも楽しむことができる。入園無料でとり放題、とれた分だけ料金を支払うというユーザーフレンドリーな明朗会計が嬉しい。「昨日来た人は6kgも栗をひろって行ったから、もう残ってないかもね」と笑うご主人。ここまで来て手ぶらで帰る訳にはいかない。「向こうの山が栗林だから、好きにやってください」と言われるまま、カゴを片手に栗林に踏み入る。すると目の前には…まるで宝の山! あちこちに割れたイガから放り出された大ぶりの栗、栗、栗。はじめは小学生のようにはしゃいでいた田中さんは、10分もするとすっかり職人の目つきに変わり、厳しい目で最上級の栗だけを選別していた。

たっぷり1kgをひろい終えたところで、ご主人に挨拶に行くと、直売所などへ卸すためにとれたてのキノコを包装しているところだった。エリンギかと見紛う身の大きさのそれは、なんと「なめこ」。「汁が一番だけど、炒めても美味しいよ」との言葉に、今日の献立は決定した。栗1kgと合わせて1000円ちょっとを支払い農園をあとにする。さぁ、レッツPHEVパーティだ。

広場のある公園にクルマを停め、さっそく栗を剥いていく…のだが、栗を剥いたことのある人ならばこの苦労がわかるだろう。とにかく硬い、そして渋皮が取れない! 「企画倒れ」という言葉がよぎりながらも近くにあった商店のお姉さんに助けを請い、爪楊枝とお手拭きまで頂きながら、何とか大ぶりの栗十数個を剥くことに成功した…ありがとう、お姉さん。道中手に入れた地産の米も研ぎ終え、いよいよ今回のメインディッシュ「電気自動車で炊いた栗ごはん」を作るのだ。

といっても、あとはアウトランダーPHEVに装備された100Vのコンセントに炊飯器をつなぎ、米と栗、そして持参した調味料を入れるだけ。ハンドル右下にあるスイッチをONにして電力供給モードに切り替えたら、炊飯器のスイッチもON。火を使わずにアウトドア料理ができるというのは、手間もかからず安全で非常に大きなメリットがある。田中さんのようなアウトドア派の人たちにとっては魅力となるのではないだろうか。

はたしてアウトランダーPHEVは、美味しい栗ごはんを作ってくれるだろうか。秋の心地よい陽気の中、炊きあがりを待ちながらうとうとし始めた頃、車内が栗の良いにおいに包まれていることに気づく。炊きあがりまでもう少しだ。

栗ごはんを待つ間にもう一品の秋の味覚を用意する。農園で手に入れた見事な「なめこ」をバター炒めにすることに。アウトランダーPHEVに備わる2箇所のコンセントを使えば、ご飯を炊きながらホットプレートも使用できる。「普通に」家電が使えるというわけだ。ちなみに、約1.8トンの巨体を60kmも走らせることができる12kWhの大電力電池は、炊飯器やホットプレートを1食分使った程度では目に見えるほど電力を消費しない。さらにいざとなれば発電もできるのだから、全く心強い限りだ。

油の代わりにバターを敷き、なめこを一斉に投下。香ばしい香りにつつまれながらワイルドに醤油をかけて、しばらく余熱を通したら完成! と同時に栗ごはんの炊けたアラームが鳴る。ふたを開けると…絵に描いたような栗ごはんの姿が!!

颯爽と栗ごはんをよそい、栗の良い香りを胸いっぱいに吸い込んで「いただきます!」。栗から出たほのかな甘みと、見事ほくほくに炊けた大ぶりの身が美味しい! 田中さんは目を細めながら無言でかき込んでいる。栗剥きの苦労が実った感動をも噛み締めているのだろう。続いて、なめこのバター炒め。これまた絶品だ。なめこ特有のぬめりはほとんどなく、シャキシャキとした歯ごたえとバターの香りがますます食欲をかき立てる。気づけば2合炊いた栗ごはんも、すっかり空に。「ごちそうさまでした!」

「電気自動車で栗ごはんを炊く」ことに見事成功した田中さんと筆者は、やがて訪れる残った栗の皮むきの苦労について考えながら東京への帰途についたのであった。

《宮崎壮人》

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