【三菱重工 ターボ技術者インタビュー】これからのターボが目指すものとは

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現在開発中の電動タービンの試作品
現在開発中の電動タービンの試作品 全 3 枚 拡大写真

「当社のターボチャージャーは納品している自動車メーカーさんから高性能、高品質と認めていただいています。そこで、より高い評価を得て今以上にシェアを拡大させるために、世界で最高の効率のターボチャージャーを目指して開発を続けています」

【画像全3枚】

そう語るのは三菱重工 機械・設備ドメイン自動車部品事業部ターボ技術部次長の佐俣 章氏だ。

例えばワイドレンジコンプレッサーホイールの開発は、これまで以上に幅広い領域で安定した過給を行うための技術で、そうしたすでに十分に完成された域に達していると思われる部分にも見直しは進められている。

「タービンハウジングやコンプレッサーカバーのスクロールやコンプレッサー、タービンホイールの最適化は、遺伝的アルゴリズムを用いた設計によって行っています」。

遺伝的アルゴリズムとは、色々な条件を与えて従来の形状から進化させていく、設計の自動化のようなものらしい。これによって無数のバリエーションを生み出しながら、その中からいい形状を選び抜くのだ。僅かずつ数値を変えた設計を自動で行ってくれることで、気の遠くなるような種類の形状を生み出し、その中で良いと思われる形状をシミュレーションで検討し、試作品を5軸の加工機や3Dプリンターなどで製作するそうだ。

また従来よりタービンホイールの軽量化を実現するためには、チタンアルミ合金の更なる開発を進めるなど、素材面での開発も進められているそうだ。

「排気ガスをタービン上流ではなく、下流から取り入れる低圧のLPLーEGRの採用によりコンプレッサーホイールの排ガスによる汚れ対策なども必要になってきます。これは表面のコーティングなどを開発して対応していくことになるでしょう」

そういったタービン単体での研究開発が進められる一方で、システムとしてのターボの効率向上も当然、検討されている。

「2リットルの自然吸気ガソリンエンジンの出力は120kwあたりですが、ダウンサイジングターボはこれを1.6リットルのターボで達成しています。これを電動2ステージターボにすることで1.2リットルにまでダウンサイジングしようという研究を現在進めているところです」

なるほど、人とくるまのテクノロジー展で展示されていた電動タービンは、電動2ステージターボの低圧側だったのか。すでに自動車メーカーに試作品を送り、提案を行っている段階だという。市販車に搭載されて登場するのを楽しみに待っていたいメカニズムだ。

《高根英幸》

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