無限がなぜ「電動二輪」でマン島TTに挑戦するのか

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無限(M-TEC)神電 参
無限(M-TEC)神電 参 全 20 枚 拡大写真

無限(M-TEC)は、2011年から独自の電動バイク『神電』でマン島TTレースに出場している。無限のレース活動は、SUPER GTやスーパーフォーミュラなど四輪が有名だが、なぜ新たな領域の電動バイクでの活動に踏み切ったのか、M-TECのモータースポーツ事業部部長・勝間田聡取締役に伺った。

「2012年以前から四輪のHVでレースを重ねるなか、将来はEVレースの時代が来るであろうと予測した。そして、そこでリーダーシップを発揮していくためには、今からアクションを起こさなければならない。そのためには、まずは“勉強”。それが始まりだ」(勝間田取締役)。

無限が得意とするのは四輪、しかしなぜそこで二輪という選択肢をとったのか。勝間田取締役は「新規で四輪を作るとなるとどうしてもコストがかさむ。対して二輪はコンパクトであるため最適な素材だと判断した。加えてバッテリーなどの小型化技術を習得できることも大きな要因」と語る。ちなみに神電プロジェクトのメンバーは志願で募ったという。普段はSUPER GTやスーパーフォーミュラでメカニックを担当しているメンバーとのこと。そして勝間田取締役はこう続ける「もともと会社(無限)の成り立ちはモトクロス。私自身もモトクロスが好きでこの会社に入社した。二輪に対しての抵抗感は無く、むしろ適している。メンバーも志願のため、モチベーションが非常に高く、初年度に比べレベルも格段に上がった」。

マン島TTレース参戦車両はマシンに対する制限が少ない。それも利点のひとつと勝間田取締役。「現代のF1などに比べれば、マシンの自由度が高い。基本的な基準さえ満たせば、いろいろな挑戦ができる。これまで3年間で得た技術は十分な程だが、まだまだ勉強したいと思っている」。

無限は今年に引き続き、来年もマン島TTレースに出場する意向だ。勝間田取締役は、これまでの参戦経験で得た電動バイクレースの問題点、そして将来の展望も見えているという。

「一般の人が電動バイクレースに参戦するにあたって、現時点でのネックは“値段”だ。電動バイクは気軽に手を出せる価格ではない」。続けて勝間田取締役は「エントラントを増やすために、無限として、市販のバイクをそのままEVにできるようなコンバージョンキットを開発し、販売したい。参戦コストが減れば、より電動バイクレースが盛り上がるはずだ。無限は今後も、常にチャレンジの姿勢を貫く」と語った。

《阿部哲也》

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