三菱自動車工業の益子修会長は10月29日の決算発表会見で、2015年3月期の通期業績予想を据え置いたことに関し「今後の世界景気には厳しい面が多くある」と述べ、慎重な構えで下期に臨む意向を示した。
同日発表した三菱の第2四半期累計業績は、円安効果もあって連結営業利益は過去最高の627億円(前年同期比23%増)となった。ただ、通期では日本やロシアの市場環境悪化などから世界販売計画を下方修正、利益予想も期首時点のままに据え置いた。
益子会長は今後のリスク要因について、米国の量的金融緩和の行方や中国の成長減速など多面的に指摘したうえで、「課題を洗い出して対処したい」と話した。同時に経営の再生が前期に完了したばかりであるため、「成長は急ぎ過ぎないようにしたい。急ぎ過ぎると歪みが出やすい」とも述べ、目標とする「持続的成長体質」に向け、ステディーな舵取りを重視する考えを強調した。