無限、志願制が生んだマン島TTスタッフの本気…チーム代表「言い訳が効かない」

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無限、マン島TTレースチームスタッフ
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無限(M-TEC)は2012年から、マン島TTレースの電動バイククラス「ゼロTT」に、独自に開発した『神電』を引っ提げ参戦を開始。ついにマシン改良への努力が実り、3年目となる2014年、優勝を勝ち取った。しかも、1位のジョン・マクギネスに次いで、2位にブルース・アンスティが入るという1-2フィニッシュを決めたのである。

そもそも電動スーパーバイクレースは、電気自動車への気運が高まる中、アツァー・フサイン氏の提唱により、2009年のマン島TTにおいて「ゼロエミッションレースTTXGP」を開催したことに端を発している。翌2010年からは、TTXGPがシリーズ化されヨーロッパとアメリカを転戦するようになる一方、マン島でのレースはゼロTTと銘打たれ、毎年開催されてきた。

無限は、そうした時流を鑑み、電動バイクに関する技術の蓄積、そのための人材の育成、無限ブランドの発信などを目的として、電動レーシングマシンの神電を開発、2012年からTTゼロへの参戦を開始した。参戦初年度の『神電 壱』から、2013年型となる『神電 弐』を経て、2014年型で優勝マシンの『神電 参』へと、フルモデルチェンジと言える改良を続けた。前年の敗因と問題を探り、ライバル車にアドバンテージを築けるようマシンに変更を施してきたのだ。

自社と協力関連産業の技術力を終結させ、専門のスタッフによるマシン開発とレース活動が行われてきたことからすれば、このチーム無限はファクトリーチームと言える。ところが、チーム代表でもあるM-TECの勝間田聡取締役によると「スタッフ達は神電専任ではなく兼任」であるとのこと。SUPER GTなど、これまでの本来の業務を抱えながら、そのうえで電動マシンのレース活動に加わることを希望して集結した人達なのだ。

勝間田取締役はさらに「兼任は大変だが、やりたいと志願した以上は言い訳が効かない。しかも全員が“やらされ感”なく取り組んでいる。このことは、弊社の人材育成にもつながっている」と述べている。

チーム無限は、今回の優勝を果たしたゼロTT決勝の前に、これまでになかったトラブルが発生。その修復や対策に2日間徹夜というハードワークを経て、決勝に臨に優勝を果たした。参戦報告の席上において、チーム監督の宮田明広氏が、表彰台に2人のライダーが上がる写真を見て「3年間の努力が報われた瞬間」としみじみと語ったことにも、納得させられる。

《和歌山 利宏》

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