【MINI ペースマン 試乗】ミニのディーゼルなら、クロスオーバーの「SD」よりも「D」…中村孝仁

試乗記 輸入車
MINI ペースマン D
MINI ペースマン D 全 7 枚 拡大写真

ディーゼルが追加されたミニの車種は『クロスオーバー』と『ペースマン』。このうちペースマンに設定されたのは単に「D」と呼ばれる低いパフォーマンスを持つエンジン。しかし、その実力、侮り難しである。

【画像全7枚】

単純に性能だけを比較すると、クロスオーバーSDに採用されているディーゼルは143ps/4000rpmと305Nm/1750~2700rpmの性能を持つ。これに対し、クロスオーバーDやペースマンDに搭載されるのは、112ps/4000rpmと270Nm/1500~2500rpm と少しパワーの低いものだ。因みになぜか性能の低いエンジンの方が僅かだがJC08モードの燃費も低くなる。

実は同じ日にクロスオーバーSDとペースマンDを試乗し、図らずも比較試乗の形になった。まずはその印象からお話しすると、ボディのソリッド感でペースマンが上。まあ、開くところが少ない分剛性が高いのかとも思えるが、走っていてペースマンはカチッとした印象がクロスオーバーよりも高い。それだけではなく、音・振動対策もペースマンの方が上なのか、クロスオーバーで感じられた透過音や微振動はペースマンでは皆無だった。

残念ながら違う個体を試したわけではないので、クロスオーバーで発生していた振動や透過音が、固有のものであるかどうかはわからないが、ペースマンの透過音や振動なら、ガソリン車並みといっても過言でないほど小さく抑えられているので、ディーゼルらしさを気にする必要は全くなかった。

正直言ってやはりハンドリングもペースマンの方が上である。軽快感が高く、ステアリングを切った時のボディの動きもこちらの方がスムーズで速い。残念なことにドアの数が少ないからなのか、ペースマンの販売は日本では苦戦しているというが、少なくとも標準のミニだって3ドアだし、使い勝手から行けば純粋4シーターと割り切ったペースマンの方に分があると思うのだが…。やはりお値段なのだろう。

パワーで31ps、トルクでは35Nm、SDと比べると劣るのだが、現実的に普通に走ってみてその違いを顕著に感じるかといえば、まったく感じなかった。高速でも追い越し車線をリードするペースで走ってみたが、そこに到達する時間も、あるいは追い越しの際に感じる加速感も、SDと大差ない、というのがその感想。だから、静かでスムーズな分ペースマンに積まれたDのエンジンの方が、印象が良いのである。車両重量の差は僅か10kgでしかないから、パワーを相殺するほどのものではないと思う。性格上ペースマンはクロスオーバーと比べてよりラグジャリーでパーソナルな作りとされていることが、この差となって表れている気がする。

■5つ星評価
パッケージング ★★★
インテリア居住性 ★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来36年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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