ホンダ オデッセイ とペットの旅…秋の軽井沢、ロングツーリングで見えた真価

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ホンダ オデッセイとペットの旅…秋の軽井沢、ロングツーリングで見えた真価
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ホンダ『オデッセイ』は、現時点で世界トップクラスのドッグフレンドリーミニバンだ。モータージャーナリストでありドッグライフプロデューサーのボクと、愛犬の“旅するラブラドール”、ドライブが大好きなマリアがそう断言する。

5代目となる現行型オデッセイは、ステーションワゴン的プロポーションから脱却して全高を高め、ついに両側スライドドアを完備。7人乗りの2列目席は「プレミアムクレードルシート」と呼ばれるキャプテンシートで、740mmものロングスライドが可能。シート内蔵肩シートベルトやリクライニングしても前を向ける中折れ機構、そしてシート表皮裏側に厚さ3cmのソフトウレタンを備えた、まさにファーストクラスの掛け心地と居心地を提供してくれる。足元フロアは最大で奥行き920mm、幅1320mmと、それこそ大型犬が2頭寛げるほど広大だ。

エンジンは「アースドリームテクノロジー」採用の2.4リットル直4。標準車は175ps、23.0kgm。JC08モード燃費は13.8km/リットルとクラストップレベル。ハイチューンのアブソルートに至っては190ps、24.2kgmという高性能でJC08モード燃費14.0km/リットルという低燃費も実現している。

さらに全車、ステアフィールにこだわったZFLS製デュアルピニオンEPS(電動パワステ)、SACHS製振幅感応型ダンパーを採用と、世界一流のアイテムを贅沢に採用しているのも特徴だ。

最上のペットフレンドリーカーである4つの理由

さて、オデッセイのドッグフレンドリーポイントはこうである(試乗車はG EX 7人乗り)。

1.犬にやさしい優れた乗降性

オデッセイに犬を自身で乗せる場合、まずは新設されたスライドドアからだ。超低床プラットフォームによってフロアは地上290~300mmとごく低く、中型犬でも乗り降りは容易。老犬でも無理がない。スライドドアの開口部は幅750mm、高さ1230mmと広大だ。

さらに荷室側からの乗降性も素晴らしい。開口部地上高は515~525mmと、多くのステーションワゴンの荷室(620mm前後が標準的)より低く、3列目席をオデッセイの伝統どおり床下に格納すると開口部との段差がなくなり、ワゴンのように使うことが可能。だから中大型犬なら自身で楽々、乗り降りできるのだ 。この状態のスペースは幅1220mm、奥行き最大1280mm、高さ1120mmもあるから、犬用の大型クレートも積み込みやすい。

2.自由度の高い乗せ場所

犬の乗せ場所は多彩である。2列目キャプテンシートの中寄せベンチ状態、2列目ベンチシート、3列目席、2列目席の足元フロア、3列目席を床下格納した荷室フロア、そして小型犬なら助手席(ホンダ純正ペット用アクセサリー使用) と、最大5カ所ある。人と荷物の数、大きさによっていかにようにも乗せられる。

しかも、2列目席はもちろん、3列目席、荷室フロアに犬を乗せたとしても、1列目席に乗った飼い主とアイコンタクトが可能。その理由は、2列目席ベンチシート、3列目席ともに中央のアームレストを倒すことで隙間ができるからである。

3.乗り心地の良さ
基本的な乗り心地の良さに加え、7人乗り2列目プレミアムクレードルシートを中寄せしベンチシート状態にして犬を乗せた場合、厚さ3cmのソフトウレタンが極上のふんわりとした掛け心地を提供してくれる。もちろん、3列目席に乗せても快適そのものである。

4.ドッグフレンドリーな装備類
トリプルゾーンコントロールフルオートエアコン(G EX)は前後席独立して温度調節が可能。2/3列目席左右頭上にも吹き出し口があり、犬がどこに乗っても1年中、快適に過ごせる。

G EXには2列目ロールサンシェードが装備される。直射日光をやわらげ、室内温度の上昇を防ぐとともに、犬が嫌がる外からの干渉も防げるのだ。

さらに全車、1列目席頭上の室内確認ミラーによって、2/3列目席、あるいは荷室部分に乗った愛犬の様子を確認できるのも嬉しいポイントだ。

このほか、14年10月に犬の飼い主の声を反映した、最新の純正ペット用アクセサリーを発売したことも、オデッセイのドッグフレンドリー度を一層、高めている。まさに至れり尽くせり、完璧なドッグフレンドリーカーではないか。

◆2泊3日秋の軽井沢へ、性能の高さを実感

そんなオデッセイにマリアを乗せて向かったのは晩秋の軽井沢。軽井沢と言えば日本を代表するドッグフレンドリーな高級リゾートだが、旧軽井沢、中軽井沢、北軽井沢、南軽井沢と、足を運びたくなるエリアは広大。だから、軽井沢通のマリアに言わせると、「クルマで行って、最低2~3泊しないと軽井沢を楽しみ尽くせないワン」…ということだ。

今回はマリアが大好きな「軽井沢プリンスホテルイースト 森のドッグヴィレッジ」(ドッグコテージ)に2泊3日、滞在することにした。

東京から軽井沢はクルマで約2時間半。犬連れドライブでは1.5~2時間に一回の休憩が不可欠。そこでドッグランのある関越道 高坂SAで休憩タイム。マリアに外の空気を吸わせ、遊ばせ、リフレッシュさせるためである。

それにしても関越道を走るオデッセイG EXは静かで快適そのものだ。16インチタイヤを履くため乗り心地はマイルドで、段差越えでも不快なショックとは無縁。しかも全高が1695mmもあるとは思えない低重心感覚がいい。リヤサスが先代の走り優先のマルチリンクから空間効率を重視したトーションビームに改められているが、開発陣が走りに関して相当、がんばったことが伺える。

上信越道の山間部に入れば長い上り坂となるが、それでもオデッセイのパワーは十二分。「まだ軽井沢じゃないの?」と目で訴えるマリアに応え、力強く坂を駆け上る。なんでマリアの訴えが運転席から分かるかと言えば、車内確認ミラーで、今日は純正ペットシートマットを装着した2列目席に乗っているマリアの様子が手にとるように分かるからだ。

碓井軽井沢ICを降りれば、すでに気分は100%軽井沢。ここからは峠道になるが、ECON(いわゆるエコモード)をONにしておけばエンジンの出力が穏やかに制御され、たとえ山道でも犬にも優しいよりスムーズな走りが可能になる。「犬を乗せているときはいつもECON ONが基本ワンよ」(マリア談)。

まず目指すのはかつて犬と共に泊まれるホテルを小田原で経営していたを経営していた夫妻が中軽井沢に移住し、オープンさせたカフェ&ドッグランの「ドッグランカフェ リョウ」である。ここでは小田原から取り寄せた干物を使った朝食がいただける(要予約)。軽井沢で犬といっしょに和朝食が食べられるところなどほかにないはずだ。

マリアは同店のオーナー夫妻、看板犬のゴールデンレトリーバーのリョウくんとはもう顔なじみ。小型犬用と中大型犬と分かれているウッドチップ敷きのドッグランで清々しい空気を吸い、自由に走り回り、運動することでリフレッシュ。

中軽井沢周辺の道は決して広くはないが、最小回転半径は5.4mと小回りの利くオデッセイなので、裏道もまったく緊張せずに走ることができた。

気がつけばもう昼すぎ。マリアを乗せたオデッセイは定番人気スポットとなった星野エリアにある、ハルニレテラスへ。美味しいお蕎麦を食べさせてくれる「川上庵」でランチ。犬連れだとテラス席にはなるけれど、そよぐ秋風が心地いい。

◆軽井沢プリンスホテルの犬と泊まれるコテージに到着

国道18号線に戻り、いよいよ最終目的地の「軽井沢プリンスホテルイースト 森のドッグヴィレッジ」へ。マリアを森のドッグヴィレッジの駐車場でいったん降ろし、ドッグケアハウスでの犬のチェックイン前ケア(爪切りなど)を受けている間に、ボクはオデッセイをイーストフロント(ここに犬は入れません)前につけてチェックイン。ここで荷物を降ろし、スタッフに電動カートで荷物をコテージまで届けてもらうのが”通”である。

上信越道・碓井軽井沢ICから約12.5kmの距離にある軽井沢プリンスホテルイースト内に2005年にオープンしたのが、愛犬とともに軽井沢のリゾートライフを満喫できる「 森のドッグヴィレッジ」。緑に囲まれた広大なコテージエリアの一角にドッグコテージが点在し、ドッグケアハウス、ドッグキャビン、小型犬、中・大型犬用に分かれたドッグパーク(ドッグラン)を完備。ホテル一流のサービスと環境もさることながら、2014年8月に増床オープンしたプリンスショッピングプラザ(総店舗数240店!)まで愛犬といっしょに歩いて行けるロケーションも見逃せない。

ドッグコテージはテラス付きの1LDKタイプ。広いリビングダイニング(ベッド×2)、さらに独立したツインのベッドルームがあり(ベッドは計4つ)、バストイレ別。冷凍冷蔵庫、食器類も揃い、長期滞在にも適している。各種ペットアメニティのほか、テーブルの上にはマリアお楽しみのウェルカムおやつも用意されている。

チェックイン後、マリアはドッグパークの軽井沢の自然の中で大はしゃぎ。ここでしか見せないマリアの嬉しさ溢れる顔が、飼い主としてはたまらなく嬉しい。

これぞ軽井沢!という景観を望めるコテージのテラスで軽井沢に乾杯!…といきたいところだが、今夜はプリンス通り沿いにある、入口付近の2テーブルのみ要予約で愛犬を店内に同伴できる、2013年8月にオープンした「レストラン STEAK HOUSE」へオデッセイで繰り出すため、今はちょっと我慢である。

プリンスホテルイーストからクルマで約7分ほどの軽井沢72ゴルフ東コース沿いにある同店は落ち着いた雰囲気の中で愛犬とステーキディナーを楽しめる、軽井沢を訪れる愛犬家にまだあまり知られていない穴場的レストランだ。

メニューはリブロースステーキ150g 1800円(ライス付き)信州ハーブ鶏の皮パリパリソテー 1500円(ライス付き)のほか、パスタ、カレーなどがある。犬と入れるステーキハウスなんて、そうはないだろう。さすが軽井沢である。もっとも、マリアの口に入るものはないんですが…。あとでおやつあげるから、我慢しろよ。明日はきっといいことあると思うよ。

軽井沢プリンスホテルイースト 森のドッグヴィレッジ コテージA
料金 大人1泊朝食付き1名1万5446円~(2名利用時)。
愛犬1頭分を含む。

《青山尚暉》

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