【マツダ デミオ 試乗】ガソリン車の評判はあまり聞かないけれど…中村孝仁

試乗記 国産車
マツダ デミオ 1.3S Lパッケージ
マツダ デミオ 1.3S Lパッケージ 全 9 枚 拡大写真

先月からディーゼルの販売も開始されたマツダ『デミオ』。実にその7割はディーゼルで、ガソリンはたったの3割だそうである。しかし、ガソリン車だってなかなか素敵な走りの持ち主であった。今回は、マニュアルトランスミッションの「1.3S Lパッケージ」に試乗した。

【画像全9枚】

どうしてもディーゼルに目が行ってしまうデミオだが、ガソリンの方は堅実に仕上げた印象が強いモデルだった。初めてスカイアクティブ・テクノロジーが使われた先代デミオは、当時の燃費計測モード、10・15モードで30km/リットルというとてつもない燃費を記録していた。それに比べて現行モデルは良くて24.6km/リットル、MT車の場合は21.8km/リットル(JC08モード)と、先代と比べてかなり見劣りする。この件についてマツダの技術者は、先代の30km/リットルという燃費は、いわゆるその対策をした特別な仕様だったので、この数値を一般ユーザーがおいそれと出すのは至難の業だと説明してくれた。そこに行くと今回のモデルは、その気になれば一般ユーザーが十分に到達可能な現実的な燃費なのだという。つまり実燃費に近いというわけだ。

実際今回の試乗では350kmほどをごく普通に走った結果、17.3km/リットルという燃費値を得た。全く省燃費運転などせず、また高速道路と一般道路の比率は概ね8:2程度の割合で、一般道路が多い状況下での記録である。だから、もし本気で省燃費運転をして燃費アタックをすれば、21.8km/リットルにかなり近い値が出るのではないかと思われた。

マニュアルのシフトフィールはなかなか良好で、特にトルクの薄いガソリン車ではマニュアルの方が愉しくドライブできること請け合いである。それにいわゆるヒルスタートアシストが付いているから、坂道発進も何ら不安を抱くことなくごく普通に走り出せばよく、これを苦手とするドライバーには大いなる助けになる。トルクが薄いからこそ多段化して欲しいギアボックスだが、ガソリン車のMTは5速。ディーゼルが6速なのに、何故?と言いたくなる。このためかガソリン車の場合2速と3速が離れ気味で、2速で少し引っ張ってやらないと、3速に入れた時の加速にもたつきが出る。軽いのぼりの坂道の場合だと、回転が下がって思うように登って行かないこともあった。

静粛性は十分に高い。そしてこのサイズのクルマとしては実に快適な乗り心地を持つ。フロントサスペンションは重いエンジンを積むディーゼル車よりもやわらかい設定とされているそうだが、これで十分なしっかり感を持っていて、前述したように乗り心地とハンドリングのバランスも良かった。軸重で100kg以上軽いというガソリン車の方が、当然ながら走りに関しては軽快感を持っていて、燃費を気にせず高回転まで引っ張ってやると結構なスポーツドライビングを堪能できる。

こうした状況で、ステアリングに正対し、きちんとしたドライビングポジションが取れることはデミオの大きな強みである。まる1日走り回っても、全然疲れないのはこのドライビングポジションの良さと、快適な乗り心地、それに静かな室内というコンパクトカーでは実現しにくい要素をしっかりと実現しているからに他ならない。

5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来36年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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