政権交代のたび憲法が発布されるタイ…現政権下でも新憲法制定へ

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バワンサク氏
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【タイ】タイ軍事政権下で新憲法案を起草する憲法起草委員会が4日、プミポン国王の承認を受け、発足した。120日以内に新憲法案をまとめ、内閣、暫定国会、国家改革議会に提出する。

 起草委の委員は元裁判官、法律家を中心に36人で、委員長にはバワンサク・ウワンノー元内閣秘書官長が就任した。バワンサク氏は5日、「国民の、国民のための、そして、可能であれば、国民による憲法」を目指すと抱負を述べた。

 タイではクーデターなどで度々憲法が廃止され、その度に新たに制定されてきた。1997年には、選挙で選ばれた憲法議会を通じて作成された新憲法が施行され、初の国民参加型で最も民主的な憲法との評価を受けた。この1997年憲法は、2006年の軍事クーデターでタクシン政権(2001―2006年)を打倒した軍部により破棄された。軍政下の2007年に制定された新憲法は、議会上院のほぼ半数を非民選とするなど、特権階級の政治介入を制度化し、政党の力を殺ぐ内容となった。この憲法も今年5月の軍事クーデターで破棄され、現在は軍部が実質的に全権を握る暫定憲法が施行されている。


〈バワンサク・ウワンノー〉
 1954年生まれ。タイ国立チュラロンコン大学法学部を首席で卒業後、フランスに留学し、28歳でパリ第10大学で法学博士号を取得。チュラロンコン大学法学部長などを経て、タクシン政権の2003―2006年に内閣秘書官長を務めた。2006年のクーデター直前に辞任し、一時出家した。
 プレム・ティンスラーノン枢密院議長(元首相・元陸軍司令官、94)と同じ南部ソンクラー県出身。1993―2002年に内閣秘書官長を務め、プラユット内閣で副首相に就任したウィサヌ・クルアンガーム氏はいとこ。

「国民の、国民のための…」 タイ憲法起草委発足

《newsclip》

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