アルマ望遠鏡、史上最高解像度「視力2000」で惑星誕生現場の撮影に成功

宇宙 テクノロジー
アルマ望遠鏡が観測したおうし座HL星の周囲の塵の円盤
アルマ望遠鏡が観測したおうし座HL星の周囲の塵の円盤 全 4 枚 拡大写真

国立天文台は、アルマ望遠鏡が史上最高解像度「視力2000」で惑星誕生の現場の撮影に成功したと発表した。

アルマ望遠鏡で若い星おうし座HL星を取り囲む塵の円盤を「視力2000」に相当する史上最高の解像度で写し出した。史上最高の解像度で撮影されたおうし座HL星の画像には、星のまわりに同心円状の塵の円盤が幾重にも並んでいる様子がくっきりと写し出された。惑星誕生の現場である塵の円盤がこれほどの高解像度で撮影されたのは今回が初めて。

アルマ望遠鏡によって超高解像度撮影が可能となり、惑星の誕生・成長過程の理解が飛躍的に進むと期待される。

アルマ望遠鏡のように複数のパラボラアンテナを結合させて一つの望遠鏡とする「電波干渉計」では、アンテナの間隔を離せば離すほど解像度(視力)が向上する。10月24日、アルマ望遠鏡は過去最大のアンテナ展開範囲15キロメートルで試験観測を行った。観測対象は、おうし座の方向約450光年彼方にある若い星のおうし座HL星。この時の解像度は、史上最高の0.035秒角(角度の1度の約10万分の1)で、人間の視力に換算すると2000となる。これはハッブル宇宙望遠鏡が達成できる典型的な解像度を上回る。

今回の画像を見ると、おうし座HL星を取り囲む円盤の中には少なくとも3本のはっきりした間隙があることがわかる。こうした間隙は、円盤の物質を掃き集めながら大きな惑星が成長しつつある証拠だと考えられている。

100万歳に満たないほど若い星のまわりで既に大きな惑星が形成されつつあるというのは、これまでのどんな理論でも想定されていなかった。

《レスポンス編集部》

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