【ルノー メガーヌ エステート GT220 試乗】このクルマが売れたら日本はもっと面白くなる…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
ルノー メガーヌ エステート GT220
ルノー メガーヌ エステート GT220 全 12 枚 拡大写真

『メガーヌ』のしなやかなサスペンションは、すでに周知のとおりである。さらにホイールベースの長くなったエステート(ワゴン)となれば、まさに大船に乗った気分といえる。しかし、このGTは少し違う。なにせGT。6速MT。ダッシュボードには「ルノースポール」の文字が見え、インパネにはカーナビもない。走るためのGT。脚はびしっと硬めなのである。

ただ、硬さにもいろいろ種類がある。内臓をゆらすもの、脳天に響くもの、ただ硬いだけで不愉快極まりないもの。そこへいくとこのサスペンションは、脳を心地よく刺激する硬さといえる。脳を揺らすじゃなくてよ、お間違えのないように。眠っていた本能を呼び覚ますというか、もうちょっと自分、できんじゃないの? と思わせる快感が湧き出てくる刺激なのである。確かに硬いんだけど、サスペンションが上下にしっかり動いていて、クルマ全体をぴしっと締めているというか。

そんなサスなもんだから、クルマは安定し、ハンドリングは軽快になり、気がつくとヤバイくらい速度が出ている。体感速度と実速度がこんなに違い、しかもあっという間に差がつくクルマもめずらしい。正直なところ、危ない。スピードリミッターを自己設定できるようになっている理由は、きっとこれではないかと推測する。

AT慣れした身としてMTの不安は、坂道発進とエンストだが、ヒルスタートアシストで坂道で後ろに下がる怖さはないし、アイドリングストップ機能があるためエンストさせても、クラッチさえ踏めばすぐに再スタートしてくれる。めっちゃ便利である。こういうクルマに乗るたびに、MT復権を強く願ってしまう。こんなクルマが、もっとばかすか売れれば日本も面白くなるのになあ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ルノーの新デザイン言語採用、小型SUV『キガー』改良新型をインドで発表
  2. スバル『アウトバック』新型、約515万円から…年内米国発売へ
  3. 『バンディット』のフロントマスクは「打ち上げ花火」!? スズキ『ソリオ』開発デザイナーが語るマイチェンへの葛藤と探求
  4. ジープ初の1.6リットルターボハイブリッド搭載、SUV『チェロキー』新型が四角い新デザインで登場
  5. あさひ、通勤向け電動アシスト自転車「OFFICEPRESS-e」モデルチェンジ…安全性と整備性を向上
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る