【MINI ハッチバック 5ドア 試乗】ホイールベース長くなっても刺激的な走りは健在…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
MINI ハッチバック 5ドア
MINI ハッチバック 5ドア 全 15 枚 拡大写真
個々の項目の★評価が高いのに、オススメ度で★3つなのは、MINIのその独特な乗り心地ゆえである。「あら、そうなのね、評判もいいからこれにしたわ」と購入した後に、このパッキパキなカート感覚の乗り心地(ついでにシートもデザインの丸っこさと異なり硬い)に、げげっとのけぞられても困るからだ。

MINIの走りの世界観は他車とは一線を画す。乗りやすいとも、快適にとも、スポーティとも異なる刺激的なものだ。しかも走行モードで「スポーツ」を選べば、MINIが分類されるコンパクト・セグメントの常識では考えられないクイックさ。デザインや雰囲気で購買の食指を動かしている人に、「そこわかっているよね?」と、おせっかいな台詞を言いたくなるというものだ。

ただしその乗り心地を好意的に受け入れたうえで言えば、MINIに新たに投入された5ドアの使いやすさは絶対的なものがある。3ドアの弱点はチャイルドシートがつけにくいドア構成と4人乗りということ。5ドアではそうした不便要素を払拭した。ついでに荷物スペースも広い。うまいのは、長く伸ばしたボディを感じさせないデザインの処理だ。リアウィンドをナナメに倒し、屋根の長さを必要以上に伸ばさないことで実現させている。

試乗した1.5リットルの「クーパー」は、3気筒エンジンでエンジンルームが軽いせいか、ハンドルを切ったときに、ぐぐっと切り込んでいく感じが衝撃的なくらい気持ちいい。ホイールベースが長くなったんだから、もう少しもっさりしているのかと疑っていたら、とんでもなかった。エンジンスタートするときに、ブレーキペダルを踏むと、センターコンソールに紛れ込むように鎮座するスタートスイッチが赤く光る。こんな演出も心憎くて、やっぱりMINIは遊び心満載だなあとしみじみ思うのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『IS』改良新型、表情一新…2026年発売へ
  2. ルノー『ルーテシア』新型、新デザインで大胆チェンジ…IAAモビリティ2025
  3. ポルシェ『911ターボS』新型、史上最強の711馬力ハイブリッド搭載..3635万円から
  4. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  5. 幻の「黒いカタナ」がサプライズ公開! 市販化の可能性は…? スズキ「カタナミーティング2025」次期モデルの展望も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る