【ミラノショー14】ヤマハ YZF-R1 開発者「サーキット走行に軸」…テストにはロッシも

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ヤマハ YZF-R1 新型
ヤマハ YZF-R1 新型 全 12 枚 拡大写真

イタリア・ミラノで開催された国際モーターサイクルショー「EICMA 2014」(ミラノショー)で発表されたヤマハ『YZF-R1』とその上級型『YZF-R1M』。EICMAのヤマハブースにおいて、プロジェクトリーダーである藤原秀樹氏に、新型R1について話を訊いた。

「従来までのR1と新型が異なるのは、新型はサーキットに軸足を置き、モデルの方向性を割り切っていることです」と、新型YZF-R1について藤原氏は語る。

確かに、特に98年の初代型では、ワインディングロードでの楽しさを前面に押し出し、現行型にしても、サーキット性能の高さは公道性能の延長線上にあると明言してきたのだから、見事な方向転換である。すると、一般のライダーが公道で楽しむには向かないということなのだろうか。

その疑問に藤原氏は「そんなことはありません。実は、我々開発担当者がMotoGPマシンの『YZR-M1』に試乗したんです。そのときの乗りやすさに感激し、高度化したレーシングマシンがこれだけ乗りやすければ、YZF-R1をサーキット専用としても、乗りにくくなるはずがないと確信したわけです」と回答した。

カンファレンスには、ヤマハのMotoGPチーム「モビスターヤマハ」のバレンティーノ・ロッシ選手とホルへ・ロレンソ選手がYZF-R1と共に登場し、会場を湧かせた。また、ロッシ選手がSUGOを走る映像や、ヤマハのコースを走る写真なども公開された。この映像などは、単なるPR用ではなく「テストでは、海外のサーキットにも出掛け、現役のテストライダーにも意見を聞いてきました。バレンティーノ・ロッシにも昨年からテストしてもらってます」(藤原氏)とのことだ。

YZF-R1は、エンジン、フレームをはじめ、ほぼすべての箇所が刷新されている。藤原氏は「エンジンは性能向上のため、ボアを1mm大きいφ79mmにして、ショートストローク化。200psの最高出力発生回転数は従来よりも1000rpm高い13500rpmとしています。そして、コーナー突込みでのラインの自由度を高めるため、ホイールベースを10mm短縮し、フレームの剛性バランスを追求した結果、フレームの形状は『YZR-M1』に似たものとなっています」と説明する。

そして、高性能化とともにテーマとなったのが、ガソリン満タンで200kgを切るという大胆な軽量化であったという。

「これまでの手法の延長では無理で、発想の転換が必要です。例えば、コンロッドはチタン製としていますが、それは単なる軽量化に留まらず、往復質量も回転質量も小さくなり、各部への負担を減らすことができます。それが軽量化に繋がると考え、全てまとめ上げていったのです」(藤原氏)。

もちろん、前後ホイールとリヤフレームはマグネシウム製。燃料タンクはアルミ製で、外装パーツにはガラス繊維入りの樹脂が使用される。やはり、既存の市販車の常識を超えたモデルであることは確かなようだ。

《和歌山 利宏》

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