【G空間EXPO14】大賞はGoogle Ingress と神戸市のFree wi-fi、担当者が語る訴求ポイントとは?

エンターテインメント アプリ
Googleで「Ingress(イングレス)」を担当する、川島優志氏。
Googleで「Ingress(イングレス)」を担当する、川島優志氏。 全 11 枚 拡大写真

地理空間情報技術(geo-technology)を展示する「G空間EXPO2014」が日本科学未来館にて開催。11月13日から3日間で2万人超が来場した。

最終日は位置把握に関連するあらゆるアプリサービスの中から、角川アスキー総合研究所取締役主席研究員の遠藤諭氏により選出される「第3回位置モノガジェット&アプリ大賞」が発表された。

アプリ部門ではGoogleの「Ingress」が、サービス部門では神戸市の「KOBE Free Wi-Fi」が大賞を受賞。各プロダクトの担当者が登壇し、訴求ポイントや今後の改変について語った。

◆「スクリーンではなく現実の街に繰り出すゲームを」現時点で300万か所がポータル登録

Googleの「Ingress(イングレス)」はこれまでと他のアプリと何が違うのか。Googleで同製品を担当する川島優志氏が説明する。

川島:今までのゲームはスクリーン、あるいはただスマホに向き合ってするものでした。でもイングレスのスタイルはそうじゃなくて“どうやって人が家の外に出て、現実世界に歩き出してもらうか”を考えている点でまず他と異なります。外に出ることで自分の周りに実際に存在する素晴らしいビルディングなどに気づくことができる。イングレスには街のアートや芸術的な建物がポータルとして登録されていて。その数は今や世界で300万個にも及びます。同じ数、審査待ちなんですけれどね。

----:日本という市場についてはどう考えますか。

川島:日本は世界で3番に入るほどに多くユーザがいます。とくに東京は密度、質双方で大変高い地区の一つ。

----:ユーザの反応はいかがでしょう。

川島:最近世界中でこのゲームのプレイヤーが歩いた総距離が算出されたんですが、それがなんと地球2600周分だったんです。こういった行動を通じてユーザが周りの世界を再発見、つまり自分の街にある、隠された歴史等にも気づきを得つつゲームを進めるものとなっています。

----:まさにリアル空間とゲームの融合ですね。ユーザ層はどんな方ですか?

川島:年齢層的には20代から30代が中心です。でも高齢者の方にもぜひやっていただきたいと考えているところです。またユーザには女性も多くて、運動することでダイエット効果があるからか、およそ3割に及びます。元々(イングレスをつくるチームは)グーグルアースを作った人がメインで構成されていることもあり、今後もできるだけジオ的な、空間的な技術を使いながら幅広い人に使っていただきたいと思っています。さらに将来的にはイングレスのポータルやジオの技術を使って、個々のクリエイターが自分の好きなゲームを作れるようにAPIを公開する方向性も考えています。

◆日本で困ることNo.1は通信環境、Free wi-fiで観光活性化と災害時の情報提供見込む

続いてサービス部門大賞の「KOBE Free Wi-Fi」。神戸市市役所観光コンベンション部の佐々木昇一氏が登壇した。

佐々木:名前の通り、神戸市で外国人観光客にwi-fiを提供するものですが、ただ提供することだけに価値があるとは思っていなくて、それをきちんとセキュアに提供して、さらに必要な位置情報をもとにサービスレベルを上げることを目指しています。実際に外国人観光客がどういったところに関心があるかのフィードバックもつけながら利用できるものとなっています。

----:2020年に東京オリンピックが開催予定で、海外からの外国人観光客も倍増するだろうといわれる中で、今後何を備えるべきで、何が必要となるのかという議論がありますね。

佐々木:そうですね。外国人観光客の方が日本に来て一番困るのが、通信環境がないことが挙げられる、という調査結果を認識して、今年の7月末から始めました。

----:実際「KOBE Free Wi-Fi」の導入はどのように進めましたか?

佐々木:カード配布方式でいうと、民間通信事業者である「ワイヤ・アンド・ワイヤレス」さんと提携させていただきました。市内に3000か所以上という、他の通信事業会社さんと比較しても圧倒的なアクセスポイント数が決め手でした。同サービスは窓口でパスポートを提示し、登録をすれば1週間全国20万か所で利用できます。導入してからまだ日は浅いですが、現在口コミなどで外国人観光客の間で“神戸にいけばフリーwi-fiカードがもらえる”という噂が広がっているそうで、認知度が向上していることは実感できています。

----:無線のインフラが使えること以外に、活かしていきたいことはありますか?

佐々木:最初の段階として通信環境を確保した上で、“回遊性”をどんどん高めていけたら、と思っています。観光行政に就く者からの狙いとしては、できるだけ滞在してほしい、という想いがあって。どんどん日本の色んなスポットを回ってほしいと思っています。またネット環境にあるからこそ用いられるSNSを通じて、神戸の魅力を伝えてほしいです。口コミ効果も期待しています。さらには災害時も情報を提供できる、いざとなる時に救護しあえるような環境にしていきたいと思っています。今後こういった環境整備が神戸以外の都市にも広がってきてほしい、と思いますね。

《北原 梨津子》

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