【オーストラレーシアン・サファリ取材記】「ランエボの親戚」実感する アウトランダーPHEV のオフ性能

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
三菱 アウトランダーPHEV(オーストラレーシアン・サファリ2014)
三菱 アウトランダーPHEV(オーストラレーシアン・サファリ2014) 全 13 枚 拡大写真

「オーストラレーシアン・サファリ」のSS1は、西オーストラリア沿岸部のジェラルトンから内陸に150kmほど走ったところからスタートする。そのスタート地点へと至る道は途中まで舗装されているが、ある地点から未舗装路にシフト。あとは赤土のグラベルロードが延々と続く。

基本的にはフラットで平坦なグラベル路だが、当然舗装路に比べれば路面のミューは低い。1本道とはいえ、少し起伏がある地形にさしかかるとコーナーも出現する。そして、SSの途中の撮影地点に向かうためのアクセス路は、WRCのSSのようなグラベルのワインディングロードだったりもする。箱根の芦ノ湖スカイラインがグラベルになったような道と表現すれば、イメージしやすいかもしれない。未舗装路でのコーナリング性能を試すには最高のシチュエーションということで、自然と旋回速度が上がった。

『アウトランダーPHEV』のAWDシステムはフロントをモーターで駆動し、リヤを別の電気モーターで駆動するツインモーター4WD方式だ。前後が機械的につながっていない4WDというのは僕のような少し古い世代の人間からすると不思議な感じがするが、その動きにはまったく違和感を感じない。

また、三菱が「S-AWC」と呼ぶ車両運動統合制御システムにより、ハンドリングは抜群の安定性に加え「操る楽しさ」も強く感じられた。操作の仕方によってはラリーマシンのようなアクションもこなし、やはりこのクルマは『ランサーエボリューション』の親戚なんだなあと実感した。

ブラインドコーナーの先にバーストしたタイヤ片や動物の死骸を発見した時は、たとえグラベル路面であってもそれなりに強い旋回ブレーキをかけなくてはならない。そんな時にアウトランダーPHEVのABSを含むS-AWCシステムは万全の制御で不安定な挙動を抑えてくれた。

SSへのアクセス路の途中には深い砂地の道も出現し、行くべきか行かないべきか判断に迷ったこともあった。しかし、意を決して進んでみると意外にもしっかりトラクションがかかることを確認できた。装着タイヤは乗用車に近いタイプだったが、走破性は想像以上。

砂が深い上り坂で推進力を高めるためアクセルを深く踏み込むと、モーターによる高トルクが微塵も応答遅れなくタイヤに伝わり、クルマが強く前に押し出される力を感じた。普通のガソリン車やディーゼル車では、このような踏んだ瞬間のトルクはなかなか感じられないものだ。改めてモーターの、そしてEVの力強さを思い知った。日常のドライブではなかなかダート路での性能を試す機会はないが、はからずもラリー取材でアウトランダーPHEVの4WDとしての基本性能の高さを実感できたのは大きな収穫だった。

《古賀敬介》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. VW『T-Roc』新型、全車マイルドハイブリッドに…全長120mm拡大で快適性向上
  2. 「マークXの面影が…」タイで発表された新型「ヤリスセダン」がかっこいいと話題に!「教習車にも」の声
  3. フィアット『デュカト』2台をひとつに、キャンピングカー製造を効率化…独キャラバンサロン2025
  4. 日産、第3世代e-POWER向けエンジンに世界初技術…コールドスプレー工法バルブシート採用
  5. スズキ『アルトラパン』が10年目のビッグマイチェン! 開発者が語る「長く愛される理由」と、それでもデザインを大刷新したワケ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る