【スバル レガシィ アウトバック 試乗】長旅にピッタリの1台、北米での高評価にも納得…森口将之

試乗記 国産車
スバル レガシィ アウトバック
スバル レガシィ アウトバック 全 24 枚 拡大写真

残念ながら絶版となってしまった『レガシィ ツーリングワゴン』には、2つのキャラクターがあった。ひとつはスポーツワゴン、もうひとつはグランドツアラーだ。

【画像全24枚】

このうちスポーツワゴンのキャラクターは昨年『レヴォーグ』が継承した。ではグランドツアラーのほうは? その路線を我が国で受け継ぐのが「アウトバック」ではないだろうか。日本以外ではすでに継承が完了しているわけだし。

デザインは外も中も、シンプルかつおおらか。小細工に走らず、全体で存在感を出しているところが大陸向けらしい。それでいてドアの閉まり音、エアコンやオーディオのダイヤルなど、クオリティの高さはこれまでのスバルよりワンランク上にある。

走りについても似たようなことが言える。2.5リットル自然吸気でも力は十分。それ以上に、回転だけが先に跳ね上がるCVTの悪癖をほとんど感じなくなったことに好感を抱く。水平対向エンジン独特の響きも、これまでより上質になっていて、高回転まで気持ち良く回せるようになった。

ストロークをたっぷり取ったサスペンションは、大陸向けの味付け。シートの座り心地もふっかりしていて、クルージングは安楽そのものだ。路面が荒れたところでは、ちょっとダンピング不足になるところを含めて、アメリカ車っぽいおおらかさがある。

なのにペースを上げてコーナーに入っても、腰高感はない。水平対向エンジンならではの低重心を実感する。レヴォーグや『インプレッサ』よりも、むしろクロスオーバー系のほうが、ありがたみを実感しやすい。海外の人たちはこの特性を、長旅を通じて理解しているからこそ、スバルを選び続けているのだろう。

日本ではスポーツマインドにスポットが当たりがちなスバル。でも北米ではロングツーリングのパートナーとして評価されている。アウトバックに乗ると、もうひとつのスバルの素晴らしさを実感できる。ツーリングワゴンとして選ぶなら、間違いなくこちらだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通 事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。

《森口将之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. インフィニティは最上位SUV『QX80』にGT-Rエンジン移植、1000馬力超「R-Spec」発表へ…SEMA 2025
  2. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  3. トヨタ『ランクル60』に最新V6ツインターボ移植、「ターボトレイルクルーザー」発表へ…SEMA 2025
  4. 日産が業績見通し修正、上期営業損失300億円…下期はサプライチェーンリスク想定
  5. ホンダ『シビック タイプR』がラリーカーに、競技参戦を想定…SEMA 2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る