【レクサス RC / RC F 試乗】柔と剛、顕著に現れた性格の違い…松田秀士

試乗記 国産車
レクサス RC F(右)、RC350
レクサス RC F(右)、RC350 全 22 枚 拡大写真

レクサス『RC』のサスペンションは、欧州同等モデルに比べるとツッパリ感がなく自然にロールするしなやかなものだ。つまり、予想していたよりも柔らかめ。

ただハイブリッドモデルなどは重量に対してボディ剛性面で若干弱さを感じる。それは、大きめのギャップを乗り越えた時にボディの初期振動をはっきり感じるからだ。

それゆえこのレベルのソフトなサスペンション剛性にセットしたのではないかと感じる。ただし、一般ユースを考えたら実に乗りやすくコンフォータブルだ。

デザインだけでなく走りも欧州並みのモノを求めるのなら『RC F』だ。RCの柔なところは一切感じさせない。フロントをV8エンジン搭載のために別設計。さらにアンダーパネルも含めて剛性アップ。その走りはかなりプロっぽい。

前後ダブルウイッシュボーン式サスペンション(リヤはマルチリンク)のメリットをしっかりと活かして、締まりの効いた足なのに、初期のサスペンションの動きがスムーズで乗り心地が良く、コーナーリングでロールが深くなるほどに腰がネバり、路面との一体感がドライバーに届く。

「TVD」と呼ばれるリヤの左右駆動力を電子制御して、例えば左コーナーでは右リアタイヤに積極的にトルクをかけて、コーナリングをリニアにする機能など、レーシングドライバーとしてはワクワクする機能がセットされている(TVDはオプション)。

RCとRC F、こだわるならRC F。リーズナブルにスポーツを楽しみたいなら『RC300h』だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

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