【アウディ S1 試乗】「MTサイコー!」と叫びたくなる気持ち良さ…飯田裕子

試乗記 輸入車
アウディ S1
アウディ S1 全 18 枚 拡大写真

今どき、アウディ『S1』ほど上質かつ品のいいMT車はないのではないか。アウディの中で最もコンパクトなモデルである『A1』をベースに2リットルターボ(231ps/370Nm)エンジンを搭載し、6MTのみの設定に。またアウディの4WDシステム「クワトロ」を組み合わせ、コンパクトクラスでは最もスポーティかつパフォーマンスに優れるモデルに仕上がっている。

【画像全18枚】

2リットルターボエンジンは、アクセルを踏み込んだときのペダルの重さから伝わる、潜在的なトルクの大きさと、決して野蛮でないフィーリングに“余裕”が感じられ、頼もしさや楽しさが想像できることがまた楽しかったりする。MTのギヤ選択も思い通りのトルクや速さを得るのに好都合なのだが、ターボエンジンながら自然な加速感が得られ、扱いやすい。

S1の6MTは、街中ではスムースな走りが可能だ。試乗前は、よほどハードなモデルだと何となく想像していたのだが、実際にはカッチリとしているものの乗り心地もいい。

上質さに頷ける点は、クラッチペダル、アクセルペダルの重厚感ある踏力(操作感)=ペダルの重さが同じフィーリングで扱えること。クラッチを緩めつつアクセルペダルを踏み込んでいくときの統一感がもたらす、扱いやすさと気持ちよさに思わず「MTサイコー!」と叫びたくなったほどだ。

ブレーキペダルも同様の操作感を持っており、さらに言えばシフトレバー、ステアリングの操舵フィール(ドライブセレクトでダイナミックモードにすればなおのこと)、すべての操作系の重さが統一感を持ち、重厚でこれほど造り込みにこだわりを感じられるモデルは他にはちょっと思い出せない。ゆえにこれほど上質な6MTスポーツモデルはないと言える。何だかアウディのクオリティの本質を、S1で再認識させてもらったような気分だ。

品のよさは、エアロパーツを纏ってはいるものの、これ見よがしでないデザインに好感を抱けることから。存在感の強弱は好みによってボディカラーのチョイスでつければいいのではないか。

街中を流すように走るなら、早めにシフトアップをしていけば穏やかに、速やかに走る。キュンキュンと走らせたいなら、溢れるトルクやパワーを活かし、想像以上の安定感とともにタフなドライビング&コーナリングも楽しめる。クルマがアクセルを踏ませたくなるアグレッシブなモデルなら、まあまあ沢山あるが、S1はドライバーの気分に応えてくれる、自己主張型ではなくコミュニケーション型なのだ。ゆえにこんなMT車は今どきないのではないかと。

ネガティブな要素があるとするなら、曖昧に存在するフットレストが人によって気になるかもしれない。個人的にそれ以外はケチのつけようがない。もし運よく近くのディーラーに試乗車があるなら、とりあえず乗っておくだけの価値は十分にあると思う。

■5つ星評価
パッケージング: ★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

飯田裕子|自動車ジャーナリスト協会会員
現在の仕事を本格的に始めるきっかけは、OL時代に弟(レーサー:飯田章)と一緒に始めたレース。その後、女性にもわかりやすいCar & Lifeの紹介ができるジャーナリストを目指す。独自の視点は『人とクルマと生活』。ドライビングインストラクターとしての経験も10年以上。現在は雑誌、ラジオ、TV、シンポジウムのパネリストやトークショーなど、活動の場は多岐にわたる。

《飯田裕子》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『セレナ』次期型は2028年登場か!? 第3世代e-POWER搭載へ
  2. 四輪事業で苦戦のホンダ、三菱自動車からタイ生産の『トライトン』をOEM供給へ[新聞ウォッチ]
  3. カロッツェリア「楽ナビ」新型13機種、11月発売へ 業界初・最大6年間の自動地図更新も
  4. ポルシェ、新型ミッドシップスーパーカーをプレビュー…「ミッション S」10月15日発表へ
  5. 新生ジャガー初の市販車『Type 01』世界初公開、2188万円から2027年受注開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. EU「欧州製EV」優遇へ、産業加速法を審議---売れるEVと売れないEV
  2. EV・欧州減速=日本が正しかった、では見えてこない欧州市場と中国の戦略[インタビュー]
  3. スカニア、中国で新事業開発組織「VNBC」設立…電動・自動運転輸送を加速へ
  4. CASE革命と電動化、次世代の自動車部品
  5. ◆終了◆ 10/7 自動車パワーエレクトロニクスの進化と今後の方向性~次世代電動パワートレーンはどこへ向かうのか~
ランキングをもっと見る