エアバス・ヘリコプターズは、次世代の中型双発ヘリコプター『EC175』の初号機をNHVに引き渡したと発表した。初号機は北海での油田・ガス田への人員輸送に使用される。
EC175は、海上油田・ガス田への乗組員・補給品の空輸と、捜索救助活動を主要用途として想定した。エアバス・ヘリコプターズはこれまで、NHVから合計16機のEC175を受注している。NHVでは、オランダの北海基地であるデン・ヘルダー基地で、EC175の運航を開始する予定。
EC175は、パイロットのワークロード軽減、状況認識の向上、飛行エンベロープ保護の改善、システムの冗長性により、高い安全性を提供する。
エンジンは、プラット・アンド・ホイットニー・カナダが専用に開発したPT6ターボシャフトエンジン「PT6-C67E」を搭載。低い振動レベルで推奨巡航速度150ノット、最大巡航速度165ノットを超える性能を達成した。
EC175は、油田・ガス田へ人員を輸送するヘリコプターで1度に16人の乗員を140海里沖合のリグに輸送できる。乗員が12人の場合は、行動半径は約200海里まで拡大する。最大離陸重量を7800kgに増加する追加認証取得後は、行動半径を更に40海里拡大、または有効搭載量を300kg増加することが可能となる。
EC175のアビオニクスには、GPSナビゲーションにより支援される「Rig’NFly」というソフトウエアが組み込まれ、より安全で容易なプラットフォームベース・ヘリパッドへの離着陸が可能となる予定。
エアバス・ヘリコプターズでは、サポート&サービスへの投資の一環として、フランス・マリニャーヌにある本社に、EC175レベルDフル・フライト・シミュレーターを導入・認定した。もう1台のEC175レベルDフル・フライト・シミュレーターは、米国に設置され、メキシコ湾の石油・ガスオペレーターに利用される予定。