東北大学大学院生命科学研究科の高橋秀幸教授、東谷篤志教授らと宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究グループは、植物や線虫を用いた微小重力環境下でのライフサイエンス実験を、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で実施する。
実験に使うアサガオやイネ、Cエレガンスは、スペースXが米国ケネディ宇宙センターから12月20日に打上げる予定のドラゴン補給船でISSに届けられ、きぼうの船内実験室で行われる。
植物の茎や根の先端部は伸長成長する過程で、首を振るように円状の運動を行う。アサガオのつる巻きには、この運動が不可欠で、研究チームは、宇宙実験を通して、この運動と植物の重力応答の関係を分子レベルで明らかにし、植物が持つ生存戦略としての「よじ登る」仕組みの解明を目指す。
また宇宙では、微小重力の影響を受けて、宇宙飛行士の骨や筋肉が萎縮することが知られている。研究チームは、これまでの宇宙実験による成果で、宇宙で育てた線虫(体長1ミリの小さなモデル動物)の筋肉タンパク質にある遺伝子発現が低下し、筋量が減少することを見出してきた。
今回の宇宙実験では、この線虫の筋量が低下する過程で、遺伝子の変異や変化が世代を経て子孫に受け継がれる可能性を4世代に渡って調べる。