世界銀行は、4.9%としていたマレーシア経済の2015年の成長率予想を、4.7%に下方修正した。
輸出成長の鈍化と石油・ガス(O&G)産業への投資、民間消費の減速が影響すると予想している。2014年通年のマレーシアの国内総生産(GDP)成長率予想は5.7%で据え置く。
世界銀行の東南アジア担当、カントリー・ディレクターのウルリッチ・ザチャウ氏は、先進中所得国家としては4.7%の経済成長はとても順調であるとコメント。域内の他の国の経済と比べると、マレーシア経済は経済の安定と成長をサポートするための政策が用意されていることなどから、成長見通しは明るいと述べた。
マレーシア経済へのリスクは外的要因がほとんどで、マレーシアは石油価格の下落による下降リスクに適切に対応することが重要だという。
世界銀行は、マレーシアの輸出成長は来年4.1%となり、今年の推定5.4%からは減速すると予想。石油の国際価格の下落を受けてO&G産業への投資も鈍化するが、マレーシア国内の民間消費は、4月の物品・サービス税(GST)導入などによる物価上昇を受けて和らぐという。