【ポルシェ 918スパイダー 試乗】その姿に似つかわしくないほどのジェントルさ…山崎元裕

試乗記 輸入車
ポルシェ 918スパイダー
ポルシェ 918スパイダー 全 14 枚 拡大写真

ポルシェは現在、3タイプのPHVをプロダクションモデルにラインナップしている。その中で唯一、もう購入することができなくなったのが、918台の限定生産モデルである、『918スパイダー』だ。すでにこの918台にはすべてのカスタマーが決定したと、先日ポルシェはニュースリリースを発信した。

今回は助手席での試乗となった918スパイダー。608psの最高出力を発揮する4.6リットル仕様のV型8気筒自然吸気エンジンをミッドに搭載し、それにエレクトリックモーターを組み合わせることで、まずパラレル式のハイブリッドシステムを完成。さらにフロントアクスルにもうひとつのエレクトリックモーターを持ち、トータルで887psの最高出力を、同時にスタンダードな仕様でも72g/kmという、究極的なCO2排出量を実現している、まさに現代の最先端を歩むスーパースポーツである。

助手席から感じた、この918スパイダーの最も大きな魅力は、運動性能よりもむしろ快適性にあった。カーボンモノコックによって生み出された圧倒的な剛性感は、その姿カタチからは想像できないほどにジェントルな乗り心地を生み出し、前後のサスペンションもまた、短いストロークの中で、実にナチュラルな動きを見せる。キャビンへのエアフローも巧みに制御されている。

こうなると、次はやはり自分自身でそのアクセルペダルを踏み込んでみたくなる。参考までに、918スパイダーの0-100km/h加速は2.6秒。最高速は345km/hにも達するのだ。そのパフォーマンスをフルに楽しめた時の感動とは、いかなるものなのか。条件が許せば、いつでもその感動を味わえる918人のカスタマーが、何とも羨ましい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★(もう買えない)

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。

《山崎 元裕》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. インフィニティの中型SUV『QX60』、改良新型は表情一新…初の「SPORT」も設定
  2. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  3. もしも流行の「2段ヘッドライト」がなかったら…!? 一流デザイナーが斬新なフロントマスクを提案
  4. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  5. スバル『クロストレック』を快適にローダウン&スタイリッシュにリフトアップ! ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る