【BMW R nineT 試乗】アナログな車体が見せる快活な走り…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
BMW R nineT
BMW R nineT 全 36 枚 拡大写真

車名にある「ナイン」はBMWの90周年記念モデルでことを示し、エンジンは1170cc空油冷水平対向2気筒。片持ち式のパラレバーサスをセットした、ミドルクラスなみの車体に搭載される。

跨ってまず感じるのは、コンパクトでスリムということ。水平対向エンジンを積む現行の「Rシリーズ」は、車体が大柄な機種ばかりだから、小柄な人や女性にも気軽に乗れるボクサーツイン搭載モデルがラインアップに加わったのは歓迎すべきことだろう。

空ぶかしすると、エンジンはブルンと震えながら車体が右に傾き、縦置きクランクシャフトならではのこの挙動が、懐かしくもあり嬉しい気持ち。

電子デパイス満載の昨今のBMWモトラッドだが『R nineT』ではあえて非搭載。フロントフォークもテレレバーではなく『S1000R』譲りのテレスコピック式フォーク。オーソドックスなスポークホイールを前後足まわりに採用し、新しさのなかに原点回帰を感じさせる。歯切れの良い乾いたサウンドも、トラディショナルなムードに相応しい。

低中回転域でのピックアップが鋭く、3000rpm以下でもキビキビ走る。早めにシフトアップしてもしっかりとトルクを発揮し、穏やかで味わい深い鼓動感がある。

3200rpm(6速)で100km/h巡航ができるが、重低音を効かせた鋭い加速が味わえるのは5000rpmを過ぎてから。アクセルを開け続ければ、最高出力110psを発揮する7550rpmまで、グイグイ速度を上げていく。

フットワークも軽く、リッターオーバーのマシンを操っていることを忘れそうになる。前後サスはしっかりコシがあり、コーナリングが楽しい。サーキットで試乗しても、物足りなさを感じさせないほどだ。

R nineTは、カスタムにも適す懐かしさと新しさが共存するスタイリングが話題だが、ロードスターならではの快活な走りこそ、 大きな魅力といえよう。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
快適度:★★★
タンデム:★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在、多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る