フォルクスワーゲン AG 電子・電装開発部門 専務のフォルクマル・タンネベルガー氏は1月14日、オートモーティブワールド2015(東京・有明)の基調講演で、今後採用されるヘッドアップディスプレイや、スマホ感覚でクルマを直感的に操作できる新システムなどついて語った。
タンネベルガー氏は、同社が展開する車載センサーセットを紹介。VWのクルマは今後、超音波・レーダー・カメラ・天候センサーの4本柱で構成され、スマホとの連携やインタフェースの進化によってクルマとドライバーのコミュニケーションに革新をもたらすという。
スマホ連携の可能性としてのモバイルオンラインサービス「Car-Net」では、「情報・アプリケーション・安全・リモートの4つのカテゴリで進化を遂げる」とタンネベルガー氏。アプリケーション部門の「App Connect」では、「アップルCarPlayやグーグルAndroid Autoなどと連携し、交通情報やマップ検索も直感的操作とともに進化する」と話していた。
同氏は、クルマとドライバーのインターフェースにおける革新にも言及。「ドライバーの視線は、常に路上に向いていないといけない。そのためにまず、ステアリングの先にあるメーターまわりのインターフェースを進化させた。スピードメーターとタコメーターの間に、12.3インチのディスプレイを配置。ナビ情報をはじめとするあらゆる情報をこのエリアに表示できるようにする」。
また、2015年には、ボーイング787のコックピットなどでも見られるヘッドアップディスプレイを採用。このHUDには、ドライバー支援情報のほか、ナビ、速度、警告などが表示されるという。「まずは『パサート』から。今後は全車種へ向けて展開していきたい」とタンネベルガー氏は話していた。
さらに、ラスベガスで開催された「CES 2015」で発表したばかりの『ゴルフ R タッチ』も紹介。「スイッチレス制御」をうたう同車についてタンネベルガー氏は、「3台のディスプレイを設置し、新開発のジェスチャーコントロールによって、ドライバーは初めて乗ったとしても直感的に操作できる。ユーザーマニュアルを読む必要はまったくない」とアピールしていた。