国交省、2015年度の整備新幹線配分額を発表…完成前倒し目指す

鉄道 行政
国交省は2015年度の整備新幹線事業費の線区別配分額を発表。完成の前倒しを目指して1600億円(事業費ベース)を投じる。写真は北陸新幹線の高架橋。
国交省は2015年度の整備新幹線事業費の線区別配分額を発表。完成の前倒しを目指して1600億円(事業費ベース)を投じる。写真は北陸新幹線の高架橋。 全 3 枚 拡大写真

国土交通省は1月14日、2015年度予算案が閣議決定されたのに伴い同年度の整備新幹線事業費の線区別配分額を発表した。事業費ベースの総額は前年度より40億円多い1600億円。このうち国費は754億5000万円になる。政府・与党の申合わせを受け、完成の前倒しを目指す。

北海道新幹線は、2015年度末の開業が予定されている新青森~新函館北斗間に前年度より24億円少ない500億円を投じる。一方、新函館北斗~札幌間には前年度より80億円多い200億円を配分する。

北陸新幹線は、工事がほぼ完了した長野~金沢間(3月14日開業予定)が大幅に減額され、前年度より176億円少ない290億円になる。金沢~敦賀間は80億円多い220億円を配分する。九州新幹線の長崎ルートは、武雄温泉~長崎間に80億円多い390億円を配分する。

整備新幹線については、現在工事中の区間で完成の前倒しが検討され、1月14日の政府・与党申合せにより前倒しが正式に決まった。それによると、北海道新幹線は新函館北斗~札幌間の完成・開業時期を5年前倒しして2030年度末に。2022年度の完成・開業を目指して工事が進む九州新幹線長崎ルートの武雄温泉~長崎間も、軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の技術開発を推進して可能な限り前倒しする。

一方、2025年度の完成・開業を予定していた北陸新幹線の金沢~福井~敦賀間は、3年前倒しして2022年度末の完成を目指す。このうち金沢~福井間については「在来線との乗換利便性を確保する観点から、福井駅の早期活用等について、別途与党において、今夏までに検討を行う」としており、さらなる前倒しが可能かどうか引き続き検討されることになる。

福井駅部の北陸新幹線高架橋は2009年2月に完成しているが、当面はえちぜん鉄道が暫定的に使用する予定。現在の計画では、えちぜん鉄道の線路をいったん北陸新幹線高架橋に移し、これにより空いた敷地にえちぜん鉄道の高架橋を建設。えちぜん鉄道の線路を新幹線高架橋からえちぜん鉄道高架橋に移した後、新幹線の線路を敷設する。金沢~福井間の建設前倒しを図る場合、えちぜん鉄道の線路移設プロセスを早められるかどうかが課題になりそうだ。

《草町義和》

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