やばいくらい広い『ウェイク』である。運転席に座ったとたん、ふりそそぐ日差しが車内のすみずみにまで入り込み、サンルームのなかにいる気分だ。運転席の前にあるフロントウィンドウからの景色といったらどうよ? どこかの展望台からながめているような気分にすらなる。
試乗グレードは「G」。ルームミラーがフロントウィンドウに貼り付いているのではなく、天井からぶらさがっていることも、フロントウィンドウ面がクリアに見えるポイントといえる。
これだけ天井が高く、四角い箱状態であるにもかかわらず、ハンドリングがしっかりしてボディがよれないのがうれしい。『タント』がベースということだが、タントで大好評の助手席側Bピラーレスを再検討し、ボディ剛性を高めるために敢えてのBピラー採用だけど、この乗り心地を味わうと正しい選択だったといえる。
なにせ、この重心の高さであるのに、ハンドルをきっても鼻先がしっかり向きを変えてくれ、ゆえにハンドルを切りながらコーナーでアクセルを踏める。コーナーでよれると怖くなり、アクセル踏んだり離したりで、よけい"よれよれ"のゆらゆら走りをしがちだけれど、このくらいぴしっと進行方向に向かって体制を整えてくれれば、言うことなしである。
運転席まわりは、長距離ドライブを想定して小物入れも充実。しっかりとしたドリンクホルダーがハンドルわきについていることは、遊びに行くクルマとしてのポイントは高いと個人的に思っている。リアシートも広いし、荷室も広いうえ、収納棚のように設定できてそうとうな荷物が積めることは言うまでもなし。荷物満載で使いこなすとしたら、エンジンはターボが絶対にオススメである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。