日立、人工衛星などの観測データを解析する「極域科学コンピューターシステム」を構築

宇宙 テクノロジー
極域科学コンピューターシステムの外観
極域科学コンピューターシステムの外観 全 2 枚 拡大写真

日立製作所は、情報・システム研究機構「国立極地研究所」(極地研)で人工衛星や南極域・北極域の観測地から送信される、膨大な観測データを解析するため「極域科学コンピューターシステム」を構築したと発表した。

【画像全2枚】

極地研では2月1日からシステムを稼働させる。

人工衛星での広域観測や観測技術・データ転送技術の向上によって観測データが増加している。極地研は、観測で得た大量のデータに対し、より短期間で高精度な解析を実現するため、従来の研究用システムを刷新し、演算性能を大幅に向上したシステムの構築を日立に発注した。

システムは、日立のスーパーテクニカルサーバ「SR24000シリーズ」を中核とし、従来システム比約5.6倍となる合計40.4TFLOPS(浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力)の総合理論演算性能、従来システム比約6.5倍のデータ転送速度を実現、観測データの解析時間を従来の約4分の1に短縮する。

また、総メモリ容量を従来システム比約9.3倍の18.5TB(1TB=約1兆バイト)に増強したことで、解析に利用する観測データ量を大幅に拡大し、解析精度を約8倍に向上した。

導入したシステムは、地球環境に大きな影響を及ぼす南極域・北極域における気候・海洋変動のメカニズムを解明する研究に活用され、地球の将来的な気候変動予測に寄与する見込み。

また、オーロラ現象と太陽風による磁気圏変動の因果関係など、宇宙空間の環境変化を解明する地球磁気圏物理分野の研究などにも活用される。

システムは、極地研に所属する研究者のほか、極地研と共同研究を行う大学や関連研究機関に所属する全国の研究者と共同利用する。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. ダイハツがブランド総合で首位、『ロッキー』が小型SUV部門を制す…JDパワーの新車初期品質調査
  3. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  4. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  5. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る