イスマイル・サブリ・ヤアコブ農業農業関連産業相がフェイスブック上に華人ビジネスに対する不買を呼び掛ける発言を書き込んでいた問題で、マレー人左派だけでなく与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)内部からも次々とイスマイル氏を擁護する声が上がっている。
イスマイル氏に対する華人の猛烈な批判を受けて、UMNO青年部幹部らが早速イスマイル氏擁護の声を上げており、その矛先はイスマイル氏批判の急先鋒となっている、与党連合・国民戦線(BN)で共闘するマレーシア華人協会(MCA)にも向けられている。MCAの閣内ポストを減らせとの強硬な声も上がっているという。「シナル・ハリアン」によるとUMNO地方支部長70人あまりが支援のために集まる意向を示しているという。
イスマイル氏は警察長官が煽動法違反で事情聴取すると述べたことを受けて、警察の捜査に全面的に協力すると言明。ただ書き込み対する謝罪をする気は毛頭ないと言明した。一方、共闘するMCAについては一定の配慮をみせ、同じBN政党どうしであり話し合いで誤解が解けるとの見方を示した。
イスマイル氏の発言は、昨今のマレー・イスラム権利を声高に叫ぶイスラム急進派の意向に沿ったもので、多分にUMNOの票田であるマレー・イスラムの受けを狙った発言。野党・民主行動党(DAP)トニー・プア議員は、不当な価格吊り上げなどは全国的で起きている現象であり、特に華人だけが行なっているという証拠はないと指摘し、UMNOが常套手段としているウソの宣伝戦略の一環だと批判した。