野党連合・人民同盟(PR)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相に対する有罪判決が確定したことを受け、野党をはじめ国内のリベラル派や海外からも与党政府の息がかかった政治的意図を含んだ不当な判決であり、事実上の政治的抹殺だとする批判の声が上がっている。
アンワル氏の実娘であるヌルル・ヌハ・アンワル氏は父親の釈放を求めるための「自由の行進」の実施を呼び掛けた。
弁護士会のクリストファー・リョン会長は、判決内容についてコメントすることは時期尚早だと断った上で、同性愛の相手だとされる元助手のサイフル・ブカリ氏に対してはお咎めなしといった疑問点があると指摘。いち同性愛事件の刑事裁判というよりも政治的な迫害であったとの疑いがぬぐえないと述べた。
また外国政府の間で批判の口火を切った豪州政府は、ビショップ外相が「連邦裁判決には深く失望した」「穏健で人権を尊重するというマレーシアの国際的評価に傷をつけた」とコメント。マレーシア政府は影響の大きさを認識すべきだと述べた。