リヒテンシュタインのナノフローセル(nanoFLOWCELL)社は2月10日、『クヮントF』の概要を明らかにした。実車は3月、スイスで開催されるジュネーブモーターショー15で初公開される。
ナノフローセル社は、リヒテンシュタインに本拠を置く新興企業。同社は2014年3月、ジュネーブモーターショー14において、コンセプトカーの『クヮントeスポーツリムジン』を発表。クヮントeスポーツリムジンは、同社のヌンツィオ・ラ・ベキア氏が中心になって、開発が進められた特別な研究開発車両。その開発には、ドイツの自動車部品大手、ボッシュも参画している。
ジュネーブモーターショー15で初公開されるクヮントFは、クヮントeスポーツリムジンの進化形。クヮントFでは、クヮントeスポーツリムジンの「ナノフローセル」パワートレインを発展させた。
ナノフローセルとは、電気化学蓄電池と燃料電池の特徴をひとつにまとめたもの。2個のタンクに液体電解質を内蔵し、電池の中で循環させる。ナノフローセル社によると、システム中心部では皮膜が2つの電解液を隔てているが、電荷は透過できるため、ドライブトレインの電力を発生でき、現在主流のリチウムイオンに比べ、重量あたり5倍の性能を発揮できるという。
クヮントFのナノフローセルパワートレインでは、電圧を600Vから735Vに引き上げるなどして、最大出力を1090psに向上。2速ATと組み合わせられ、最高速300km/h以上の性能を実現した。最大航続可能距離は800kmとしている。