「おひとりさま」「草食系」に続くトレンドワード…“ゆるコミュニティ”の意味

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 生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研が、10~20代の男女500名を対象に、Twitter、Facebook、LINEなど様々なソーシャルメディアを通じたコミュニケーションの実態を調査したレポートを発表した。

 レポートは専門家のインタビューとアンケート調査で構成。まず、「おひとりさま(マーケット)」や「草食系(男子)」など新語・流行語を世に送り出してきた世代・トレンド評論家の牛窪恵(うしくぼめぐみ)氏は、今の10~20代について「ほとんど物心がついた頃からインターネットに親しんできた『デジタルネイティブ』世代」と指摘する。

 一昨年行われた携帯電話・スマートフォンの1日における利用時間調査(※1)でも高校生男子は平均4時間超、高校生女子は6時間超となるなど、日常的に誰かと“ゆるくつながる”デジタルネイティブ世代。 ※1:2014年7月 「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」 デジタルアーツ調べ。

 牛窪氏曰く、その背景には生まれてからずっと“右肩下がり”な日本経済しか見ていない世代でもあり「『空気が読めない(KY)』『ぼっち(ひとり)』でいることを嫌いますが、根底には漠然とした将来への不安があります。その反動のように、長年手足のように使いこなしてきたデジタルツールやソーシャルメディアを駆使して、誰かとゆるくつながることで安心感を得ていると考えられます」と分析。加えて、「幼少期から『デジタルいじめ』にもさらされてきた世代で、できるだけ“浅く楽しく”つながろう」とする傾向にあるという。

 ほかに牛窪氏がこの世代のコミュニケーションの特徴として挙げるのが、「ジモ友(地元の友達)」や「趣味トモ(趣味の友達)」などの言葉に表れているように、「圧倒的に“気の合うコミュニティ志向”であり、“内輪ネタ”で盛り上がる傾向が強い」という点だ。コミュニティでは「意見を主張しすぎない=悪目立ちしないことが美徳で、ソーシャルメディアにおいても細々と意見を連ねるより、仲間にネタとしてイジられそうな動画や写真、スタンプをアップしたがる傾向」に。

 とはいえ、2004年に誕生した「mixi」のように身内を中心に楽しむ“内輪”コミュニティから、「755」など外からでも入れる“ゆるコミュニティ”へとコミュニケーション様式は変化しており、牛窪氏は「“内輪ネタ”が仲間に共感を得れば、コミュニティ全体が盛り上がり、ツッコミを入れる外野も増え、“ゆるコミュニティ”の輪が外へと拡大していきます。それはいわば、内輪と外野の中間の、“中(ナカ)輪”コミュニティ」と新たなコミュニティの形を説明した。

 中でも、小中学校でゆとり教育を受けた「さとり(ゆとり)世代」(現18~27歳)やその下の世代は、子供の頃からバラエティー番組などで「ひな壇芸人」を見て育ったこともあり、「ネット上でも『ウケる』『ネタになる』ことを重視」する世代。“中輪”コミュニティで増えている“大喜利”的なものや外野の立場からツッコミを入れる“やじうま”的なやりとりも、こうした影響だと考えられる。

 これを踏まえたうえで、10~20代の男女500人を対象に行われた「ソーシャルメディアでのコミュニケーションに関する意識・実態調査」では、普段使うコミュニケーションツールの70%がLINEを占めるなどメールや電話よりもソーシャルメディアの方が支持されている結果に。新しいコミュニケーションツールを取り入れたことで、76%が「コミュニケーションの仕方に変化があった」と回答するなど、取り入れるツールと連動してコミュニケーション様式も変化していると考えられる。

 続いて、「利用する際に気を付けていること」の項目では、投稿する際に41%が「自分がどう見られるかを意識する」とし、約5人に1人の17%は「おもしろいと思われる」ことを重視。“中輪”コミュニティでは、自分がどう見られているかに気を配り、周囲との調和を意識する傾向が見られた。また、現在利用中で使っていて楽しいソーシャルメディアは、「LINE」(81%)、「Twitter」(65%)、「Facebook」(44%)、「Instagram」(20%)と利用率と比例する結果に。利用経験はなく今後使ってみたいソーシャルメディアには1位から順に「755(ナナゴーゴー)」(33%)、「Instagram」(27%)「ツイキャス」(25%)が並び、新しいツールを取り入れることに積極的な姿勢がうかがえた。

 今回10~20代から注目を集めた「755(ナナゴーゴー)」は、著名人のトークライブを自由に閲覧・コメントができるスマートフォン向けの“新世代トークアプリ”。アイドルやお笑い芸人、各界の経営者など、1,000名以上の著名人たちがトークルームを開設しており、そこに加わることで“中輪”的な距離感で楽しめる事に加え、自らもトークルームを設置して「ひな壇芸人」のようにコメントを受付けることも可能。

 「MixChannel(ミックスチャンネル)」はスマートフォンで10秒の短編動画を撮影・編集し、コミュニティに投稿できる動画コミュニティサービス。女子中高生を中心に支持を集め「ミクチャ」の愛称で親しまれており、気に入った投稿者の“ファン”になったり、動画に対するコメントを通じて投稿者やその“ファン”と交流することも可能。“内輪”の最たる形とも言える“カップル動画”が非常に多いが、その様子を公開してファンが盛り上がる様子は“中輪”コミュニティと言える。累計250万ダウンロード(iOS/Android累計・2015年1月時点)、月間訪問者数350万人、月間動画再生数4億5,000万回を突破し、さらなる注目を集めている。

キーワードは“中輪”? 10~20代のコミュニケーション実態

《中村好伸@RBB TODAY》

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