JAL機長が語る「B777のコックピット」…遅れて立ち上がるスポイラーの“役目”[フォトレポート]

航空 企業動向
B777(JA8979)のフラップ。ゴロゴロと音を立てて下がってくる(羽田空港内JALメインテナンスセンター1(M1ハンガー))
B777(JA8979)のフラップ。ゴロゴロと音を立てて下がってくる(羽田空港内JALメインテナンスセンター1(M1ハンガー)) 全 24 枚 拡大写真

日本航空は2月25日、羽田空港内JALメインテナンスセンター1(M1ハンガー)を公開。フライ・バイ・ワイヤで組むエルロンやスタビライザー(水平尾翼)、ラダー(方向舵)、スポイラーなどを実際に動かして見せた。

同社777運航乗務部・機長の船越篤氏がフラップ・レバーを5、15、20、25ノッチと入れていくと、ゴロゴロゴロゴロと音を立ててフラップが下がっていく。

フラップは、離着陸のさいに展開され、翼の面積を広くすることで、揚力(機体が浮き上がる力)を増やす羽。同社777運航乗務部・機長の船越篤氏は、「JAL機は、滑走路を比較的長めに走る。燃費向上とCO2排出低減のため、スラスト(アクセル)を抑え目にして離陸する」と話していた。

また、フラップの上側に付くスポイラーは、B777の場合、両翼にそれぞれ7枚付いている。着陸時、このスポイラーがいっせいに立ち上がり、空気抵抗をつくり機体は減速する。このとき、1枚だけゆっくりと動くスポイラーがある。この理由についてJALエンジニアリング羽田航空機整備センター機体点検整備部第3機体点検整備室・室長の柴田俊雄氏はこう話していた。

「フライ・バイ・ワイヤによって油圧で動いているが、1枚だけはコックピットとケーブルでつながっている。油圧機構が何らかのトラブルでダウンした場合でも、パイロットが手動で操作できる『最後の羽』の役目がある」

《レスポンス編集部》

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