欧州・中国でDCTが伸び、日本とアメリカではAT/CVTが主流のワケ…自動変速機市場

自動車 ビジネス 企業動向
ホンダフィットハイブリッドに搭載される高出力モーター内蔵7速DCT
ホンダフィットハイブリッドに搭載される高出力モーター内蔵7速DCT 全 7 枚 拡大写真

ドイツのサプライヤー、シェフラーは世界の自動変速機市場において2022年までにDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が約2割のシェアを得ると予測している。しかしこの推計によれば、地域によるシェアにはかなり差がでていることが分かる。特に欧州と中国では半数前後がDCTなのに対して、米州地域やASEAN/インドではAT/ CVTが主流と見込む。日本でもDCTはシェアを若干伸ばすものの、全体の1割にも満たない予測だ。この理由はなぜなのか。

【画像全7枚】

自動車事業部トランスミッションテクノロジー技術部ジェネラルマネージャーの中澤智一氏によれば、「DCTはマニュアルトランスミッションの構造をベースとしているので、MTの生産設備があれば容易にDCT化が実現できる。またエンジンもMTとの組み合わせを前提においた特性を持たせているのでDCTとのマッチングを図ることは比較的たやすい。欧州車は現在でも圧倒的にMTが主流なので、生産効率を考えればDCTがシェアを伸ばしていくと予想できる」と説明。

また自動車が使われる環境も大きく影響すると中澤氏は語る。「欧州では渋滞が比較的少なく高速で走行する場面が多いが、日本では渋滞のストップ&ゴーが多く、変速ショックのないCVTやトルコンATが好まれる傾向にある。ただ、こうした傾向はこれまでの話であり、DCTの技術進化でトレンドやお客様のニーズは変わってくるかも知れない」。

またDCTには湿式と乾式があるが、ハイパワー車ではエンジンの大トルクをトランスミッションが受け止める際に発生する熱を冷却するためにオイル回路を持たせた湿式DCTが採用されることが多い。一方小型車中心に採用される乾式タイプはその冷却回路がない分、構造をシンプルにでき効率を向上できる。

同技術部の金哲中氏によれば、「生産ボリュームを乾式と湿式で分けると2011年に乾式が湿式を上回り、2014年には乾式システムの年間生産量が300万台を超えた。このうち乾式のほとんどは当社のDCT」と述べる。

湿式タイプについてはシェフラーは後発であり、ボルグワーナーなどの競合も存在するが、今後は湿式DCTのバリエーションを拡大し商品力を強化していくことを言明。同社が持つモジュラー技術を活かして、基本構造はそのままに中型乗用車から大型トラックに至る幅広いトルクバリエーションに対応した湿式DCTをラインナップさせていくという。

《北島友和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. プジョーとシトロエンの4車種3292台をリコール 火災のおそれ
  2. マツダ『RX-7』後継は2027年前後か、ロータリースポーツ復活に現実味
  3. 日産『ノート』フルモデルチェンジへ、日産復活の切り札となるか?…土曜ニュースランキング
  4. 日産『ノート』リコール36台、走行不能のおそれ
  5. 次期『GR86』は大転換! トヨタが開発を主導、300ps級ハイブリッドFR誕生か?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  2. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  3. 2107馬力のハイパーEV、リマック『ネヴェーラR』に「ファウンダーズエディション」…特別な顧客向けの10台は発表前に完売
  4. 中国サプライヤーが日本市場へ本格攻勢、“長期戦略”と“チャイナスピード”両立する「DESAY SV」次の一手とは
  5. なぜ?テスラ・BYD・ハイブリッドを選ぶのか、日本の BEV ユーザーのリアル…国際経済研究所 小林浩氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る