【GDC 2015】目からウロコの、ゲーム会社における「ソーシャルメディアの使い方」

エンターテインメント 話題
【GDC 2015】ゲーム会社はソーシャルメディアをどう使えばいい? 忙しすぎるコミュニティ担当者へのアドバイス
【GDC 2015】ゲーム会社はソーシャルメディアをどう使えばいい? 忙しすぎるコミュニティ担当者へのアドバイス 全 46 枚 拡大写真

インターネットやソーシャルメディアの発展で、企業が直接ユーザーに対してアプローチを行う事が可能となります。これはゲーム会社にとっても例外ではなく、独自でコミュニティ作りやコミュニケーションの充実を図ろうとする例が増えています。

【画像全46枚】

しかしながら、一般的に対外的なコミュニケーション部門の人員は限られていて、ソーシャルメディアのアカウントを作成したにも関わらず、十分な運用ができていないケースも散見されます。成長を遂げている中堅パブリッシャーDeep Silverのシニアコミュニティマネージャー、Maurice Tan氏はゲーム会社がどのようにコミュニケーションを行えば良いか講演を行いました。

インターネットの登場によってコミュニケーション手段は多様化しました。ソーシャルメディアと限っても、90年代は掲示板、00年代はブログ、10年代に入るとTwitterやFacebookが巨大なプラットフォームとなり、SnapChatやTumblr、Instagramなど数限りないソーシャルメディアが登場してきました。

Tan氏は、新しいソーシャルメディアが登場する度に「時間がない」「あと2人いれば・・・」といった言葉が繰り返され、例えアカウントを作って運用を初めても「新しいチャンネルの開設」→「ファンベースの分断」→「リソースの分断」→「過疎化」→「死」→「また新しいソーシャルメディアの登場」という死のサイクルが繰り返されてしまうと述べました。

そうならないために必要なのは"原則"です。Tan氏は、「自分たちが作っているゲームが何か」「そのプレイヤーはどんな人か」「自分たちはどんな会社なのか」といった原点に立ち返り、それぞれのソーシャルメディアにどのようなユーザーがいるかを知り、それぞれのソーシャルメディアにアカウントを作った時の目指すゴールを決める必要があると言います。これは当たり前の原則です。しかし「彼らがやっているから」と始めるケースは驚くほど多いと言います。

とはいえ、ソーシャルメディアの活用は必要です。旧来型のマーケティングは個別の商品に対してエンゲージメントを高めていくものでしたが、ソーシャルメディアを使ってファンを育成するということは、ブランドを育てることで、全体を底上げしていくものだからです。

限られたリソースの中で現実的な解を導くためには、効果的な部分を見つけて集中投資を行う必要があります。各ソーシャルメディアがどのようなユーザーを抱えているかは、様々な資料が公開されていますので理解をするべきです。また、ユーザー層だけでなく、ユーザーの向き合い方もソーシャルメディアによって異なります。「RTSのコミュニティをPinterestで作っても成功するはずもないですよね?」(Tan氏)。

また、運用の成否をどう測るかも問題です。KPIを設定するのは当然ですが、よくある間違いとしてTan氏は「何かを実行することを評価対象にしてしまうこと」と述べました。つまり、"Facebookに10回/週 投稿する"といった目標です。そうではなく、アプローチし、その反応がどうであるか、という点をKPIにしなくては運用の成否は測れません。

ソーシャルメディアの運用はコミュニケーション部門のリソースだけでなく、いかに社内の他の部署からの協力を得るかが鍵になります。開発、サポート、マーケティング、広報など、ユーザーと接するということは顔となり、全社の問題について向き合うことになります。社内の協力が無ければ成功はおぼつきません。

最後にTan氏は、もし担当者であったなら次の5つを自分自身に問いかけるところから始めようと呼びかけました。

「いまの運用はやりすぎなのか、少なすぎなのか?」
「何を目指してこれをやっているのだろうか?」
「それぞれのソーシャルメディアを理解しているだろうか?」
「適切なソーシャルメディアを選べているだろうか?」
「新しいソーシャルメディアが出てきたら何をすべきだろうか?」

Tan氏の講演は「まずちゃんと考えようよ、それが時間の節約になるんだよ」という基本的な事でしたが、以外に運用に追われていると立ち返れない部分のような気がしました。ソーシャルメディアの担当をされている皆さんの健闘をお祈りします。

【GDC 2015】ゲーム会社はソーシャルメディアをどう使えばいい? 忙しすぎるコミュニティ担当者へのアドバイス

《土本学@INSIDE》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
  2. クスリのアオキホールディングス、「cars WELLNESS」導入…従業員と社用車向けに
  3. 自動車開発に求められるスピード感、課題解決に向けクエスト・グローバルが提案する「エンジニアリングの力」とはPR
  4. ホンダ『N-BOX』改良新型、「CUSTOM」が表情一新…6月22日から先行予約
  5. トヨタが『カローラクロス・ピックアップ』開発中か? 日本市場でヒットの予感
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「全固体なら勝てる」は本当か、LFP時代に問われる日本の電池戦略…矢野経済研究所 エネルギー&モビリティグループ 部長 田中善章氏 [インタビュー]
  2. 【トヨタ RAV4 PHEV 新型試乗】PHEVはEVよりも高級になりうる、ということを証明した…南陽一浩
  3. マツダの車載CO2回収装置、走行中の貯蔵に初成功…回収量は前回比9.6倍の804gに
  4. 「もはや地図事業だけではないHERE」…人とくるまのテクノロジー展2026初出展の背景を枝代表に訊ねる
  5. タイヤは「管理する時代」へ…ダンロップが提案するフリート運用の新常識
ランキングをもっと見る