常磐線は「安全確保策」完了後に全線再開へ…国交省が見通し示す

鉄道 行政
常磐線いわき~岩沼間の路線図。原発事故による不通区間は安全確保策完了後に全て再開する見通しが国交省から示された。
常磐線いわき~岩沼間の路線図。原発事故による不通区間は安全確保策完了後に全て再開する見通しが国交省から示された。 全 1 枚 拡大写真

国土交通省は3月10日、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で寸断されている常磐線について、全線再開に向けた今後の見通しを発表した。同日開催された第12回復興推進会議で、国土交通大臣の代理として出席した西村明宏副大臣が報告した。

常磐線は現在、竜田(福島県楢葉町)~原ノ町(南相馬市)間46.0kmと、相馬(相馬市)~浜吉田(宮城県亘理町)間22.6kmが運休中。このうち相馬~浜吉田間は線路を内陸側に移設して再開するための工事が進められており、2017年春の再開が見込まれている。

竜田~原ノ町間は、福島第一原発の炉心溶融事故により周辺一帯が立入りできない状態に。現在は竜田・富岡・浪江・桃内・小高・磐城太田各駅が避難指示解除準備区域、夜ノ森・大野・双葉各駅が帰還困難区域に指定されている。並行する国道6号は自動車で通過する場合に限定して通行規制が解除されたため、JR東日本は今年1月31日から代行バスの運行を開始した。

西村副大臣の報告によると、避難指示解除準備区域では2016年春までに小高~原ノ町間を再開し、浪江~小高間は遅くとも2年後の再開を目指す。竜田~富岡間は3年以内をめどに「出来るだけ速やかな開通」を目指す。帰還困難区域を含む富岡~浪江間は「除染や異常時の利用者の安全確保策」を完了した後に開通させるという。

1986年に原発事故が発生したソ連(現在のウクライナ)のチェルノブイリでは現在、約50km離れた汚染区域外のスラブチチから列車が運行されており、原発職員の通勤手段として利用されている。

《草町義和》

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