まるで空気椅子? アウディ生産現場に「椅子のない椅子」

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アウディの「チェアレス・チェア」
アウディの「チェアレス・チェア」 全 9 枚 拡大写真

アウディは生産効率の向上と従業員の健康を追求するべく、生産現場でロボテクノロジーとの共存を進めている。独インゴルシュタットの本社工場で公開された「チェアレス・チェア(椅子のない椅子)」もそのひとつ。これにより、立ち作業をおこなう従業員はどこでも座ることができ、姿勢の改善もおこなうことができるという。

チェアレス・チェアの開発はスイスの企業とのコラボレーションによっておこなわれたという。見た目は、両脚の背面を支える外骨格のようなもので、2種類の革で覆われたカーボン素材(CFRP)のフレームが、お尻、太もも、ふくらはぎまでを覆う。装着は、股関節、膝、足首のベルトでおこない、装着者によって膝の高さを調節することが可能だ。重量は2.4kgと軽量で、重さはほとんど感じないという。

操作はお腹の位置に取り付けられたボタンでおこなう。このボタンを押して体重を後ろに掛けると、チェアレス・チェアに組み込まれたセンサによって使用者の身体の大きさ、体重を検知し油圧モータによって形状を固定、椅子に座っているような姿勢を取ることができる。着座姿勢は、ボタン操作によって3段階に調整することが可能だ。

チェアレス・チェアを装着した取り付け作業のデモンストレーションでは、低い位置や中腰姿勢を求められるような作業で、チェアレス・チェアの作動、解除が繰り返しおこなわれた。見た目はまるで「空気椅子トレーニング」のようだが、座り心地も良好で、もちろんバランスが崩れる心配もまったくないそうだ。脚への負担軽減だけでなく、作業ラインにスツールを置く必要がなくなるためスペース効率の向上、導線の確保にも貢献する。

プロトタイプは既に本社工場の一部で使用されているというチェアレス・チェア。先進技術による革新的な製品を送り出すアウディは、生産現場においてもその技術を惜しみなく投入している。アウディは「未来の職場」の実現に向け、実社会での労働環境の課題に取り組んでいくという。

《宮崎壮人》

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