ケーヒンは3月24日、日本において大幅に生産性を向上させた生産設備、不良率を大幅に低減させる新製法を開発したと発表した。
同社は、超小型のビルトインモーターを専用設計し、小型・高精度かつ高速なビルトイン型スピンドルを廉価に開発。生産性を1.5倍に高めた廉価な切削加工機を実現した。この切削加工機は、2015年6月に国内の小型二輪車用スロットルボディの生産ラインに導入し、2016年にはアジアで展開する予定だ。
また、手作業で行っていた工程を置き換えできるオリジナルロボットを開発。設備本体の制御装置で一括制御することで、速度を従来比1.3倍に高めながらも、低コストでの製作を実現した。このロボットは国内導入を始めており、2015年秋からアジアの小型二輪車用燃料ポンプ生産ラインに本格導入し、順次グローバルの生産拠点に展開していく。
不良率低減の技術としては、スロットルボディなどの鋳造工程で充填されたアルミ二ウムが凝固する際、局部的に打撃振動を加えることで内部に発生する鋳巣を微細化かつ分散化する新製法を開発。鋳巣不良発生率の90%低減を実現した。新製法は、2015年春に国内の大型二輪車用スロットルボディの生産ラインに導入し、小型二輪車用スロットルボディや四輪車用ソレノイドなど、グローバルで順次展開していく。
鋳造工程で使用する局部加圧装置についても、ダイカストマシンの油圧系統の活用による超小型化と、作動油の小流量制御による低速加圧が可能となり、品質向上を実現した廉価な装置を開発。この装置はすでにメキシコで量産適用されており、順次グローバルに展開していく。
また同社は、環境保全活動にも積極的に取り組んでおり、工場の水や空気、油量を最適に管理し、エネルギーを大幅に削減できる同社グループ製の産業用バルブを使用したオリジナル省エネキットを開発。自社内の工場で活用するとともに、販売を進めていく。