「赤い電車」711系、保存に向け募金の呼びかけ…4月14日まで

鉄道 企業動向
3月13日限りで営業運行を終了した711系は解体に向けて廃車回送が始まっている。写真はディーゼル機関車にけん引され、札幌運転所から札幌貨物ターミナルまで運行された廃車回送列車の第一陣。
3月13日限りで営業運行を終了した711系は解体に向けて廃車回送が始まっている。写真はディーゼル機関車にけん引され、札幌運転所から札幌貨物ターミナルまで運行された廃車回送列車の第一陣。 全 2 枚 拡大写真

札幌市に事務所を置く市民団体「北海道鉄道観光資源研究会」はこのほど、3月13日限りで営業運行を終了したJR北海道の「赤い電車」こと、711系電車を保存するプロジェクトを立ち上げた。

711系は1968年に函館本線小樽~滝川間で営業運行を開始以来、46年余りの間、津軽海峡線を除く北海道内の電化区間で運用されてきた。北海道初の国鉄電車で、営業用車両としては国鉄在来線初の交流専用電車でもあるという歴史的な車両。営業運行終了後の去就が注目されているが、既に札幌運転所から9両ずつ2回に分けて廃車回送列車が運行されており、全車の解体は予断を許さない状況だ。

こうしたことから研究会は3月25日、711系の保存に向け、クラウドファンディングを活用したインターネット募金の呼びかけを始めた。

同会によると、711系を2両購入し、同車ゆかりの地といわれる岩見沢市内で保存する。車両の購入や輸送、設置に必要な費用は約500万円。このうちほぼ半分は、711系の保存場所を提供する農業会社「道下産地」が輸送費用として負担する。残る234万円を募金によって賄うことにしているが、「4月中旬までに購入申し出をしなければ間に合わない事態」といい、今回、4月14日までという短期間での呼びかけを行っている。

募金向けウェブサイトの開設後、100人近くから募金の申込みがあった。購入が実現した場合、道下産地のファームレストラン(7月20日オープン予定)の敷地内に設置し、休憩所として使用。車内には募金に応じた全員の氏名を掲示する。

募金額は1口3000円・1万円・3万円・10万円に分かれており、金額に応じてオリジナルポストカードや行先表示標(サボ)、コメなどがもらえる引換券が贈られる。目標額を下回って購入が実現しなかった場合は返金される。詳細は北海道鉄道観光資源研究会のウェブサイトまで。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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