【マツダ ロードスター 試乗】クルマとドライバーの一体感は代えがたいものがある…日下部保雄

試乗記 国産車
マツダ ロードスター 新型(量産試作車)
マツダ ロードスター 新型(量産試作車) 全 28 枚 拡大写真

『ロードスター』はいつ乗っても楽しく、ワクワクさせてくれる。ND型では重量を1tに抑えてライトウェイトスポーツカーの持つ軽快なフットワークを進化させ、1.5リットルの自然吸気エンジンで素直にクルマを運転する楽しさを伝える。

その面白さ、気持ちよさはすでにプロトタイプでのワインディング試乗で体験済だが、公道試乗でも裏切られることはなかった。

収納が片手でできるソフトトップを収納して、ぴたりと収まるドライバーズシートの乗り込み、走り出すと風が気持ちよく適度に入って、オープンロードスターの心地よさを満喫できる。

すっきり軽くシフトできるマニュアルトランスミッションを操作して、トルクバンドに乗せたドライビングももちろん楽しいが、「SKYACTIV-G 1.5」は低速トルクも結構太いので、早めのシフトアップでのんびりと街中を走っても気持ちよさは変わらない。

とにかくドライブすることが楽しく、サーキットでなくてもクルマとドライバーの一体感は他に代えがたいものがある。乗心地はスポーツカーからイメージされる、いわゆるガチガチではなく、適度に腰のあるものなので、バネ上の動きはフラットだ。

ソフトトップを上げても圧迫感は感じないで、ドライブの面白さは少しも損なわれない。6速ATはロックアップも早く、ダイレクト感があって、パドルシフトを使うとちょっぴりレーシングカーっぽい雰囲気も楽しめる。でも敢えて言うならば、ロードスターはクラッチも軽く、街中でもシフトすること自体が楽しいMTを是非堪能してほしい。

2シータースポーツは手回り品の収納に限りがあるが、一人乗りの時はサイドシートにカップホルダーを付けられ、トランクに2個の機内持ち込みサイズのキャリーバッグが収納できるのもありがたい。

今回乗ったのは最終仕様ではないが、最近の傾向としてアクセルとブレーキペダルとの段差を大きくとっているので、ヒール&トゥが少しやりにくい。またシートは座面にもう少し腰があるとより疲労が少なくなるだろうと思う。

小さいことはともかく、ロードスターはマツダのみならず、日本が世界に誇るスポーツカー。素晴らしいの一言だ。

■5つ星評価
パッケージ:★★★★★
インテリア:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

日下部保雄|AJAJ会長/モータージャーナリスト 
大学在学中からモータースポーツに参戦し、卒業後は専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起などの分野で、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、WEBにおいて活動。またその経験を活かした講演、研修などに携わる。ドラインビングインストラクターとして、安全運転のためのドライビングスクールを主宰するなどの実際面からの安全へのフィードバックも行っている。2006年よりAJAJ会長に就任。

《日下部保雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る