【SUPER GT 第1戦】GT300クラス、嵯峨宏紀&中山雄一のプリウスが圧勝で制す

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優勝の#31 プリウス。
優勝の#31 プリウス。 全 12 枚 拡大写真

5日に決勝レースが実施されたSUPER GT開幕戦(岡山国際サーキット)。GT300クラスではプリウスGTを駆る嵯峨宏紀&中山雄一が序盤で首位に立って大量リードを築き、後続を大きく引き離していく圧勝劇を演じた。

予選5位からのスタートだった#31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀&中山雄一/タイヤはブリヂストン=BS)だが、微妙な路面コンディションの決勝レースにおいては嵯峨が前半で約20秒、中山が後半で約20秒、計約40秒差を築いての独走勝利となった。GT500クラスと同じ42秒差だが、こちらは内容が大きく違ったといっていいだろう。

前半担当の嵯峨は3周目にトップを奪取。「ウォームアップ性を含めたタイヤのパフォーマンスが良く、大きなマージンを作って雄一に(バトンを)渡すことができました」と、嵯峨は今季から使用しているBSタイヤを絶賛する。「昨日の予選ではタイヤの使い方に失敗したところがあり、もうひとつの順位でした。でも今日は、自分としては完璧な仕事ができたと思います」。

後半を引き継いだ中山は、レギュラー参戦は今季が初。「嵯峨さんが20秒のリードをつくってくれましたので、後ろとの差をコントロールしながら、ペースをキープして走れました」。自身も約20秒のリードを重ねて、「40秒(という大)差で勝てて、嬉しいですね」。タイヤ選択を含めたチームの戦略と併せ、混戦接戦が常のGT300では珍しいくらいの圧勝劇となった。

嵯峨は次の富士戦はWECスパ・フランコルシャン戦に参戦のため欠場となるが、「(代走を務めるかたちの)佐々木孝太選手には40kgのウエイトハンデ(優勝した分)が置き土産になりますけど(笑)、彼の速さはみなさんもご承知の通りなので、なんとかしてくれると思います。今年はチーム全体で雄一をドライバーズチャンピオンにできるよう、頑張っていきたいですね」との旨を語り、「スパから応援しています」とエールを贈った。中山は「40kgがマシンバランスにどう影響するかは分からないところもありますが、テストから嵯峨選手、佐々木選手と一緒にクルマを仕上げてくることができていますので、次もしっかり力を発揮したいと思います」と語っている。

決勝2位は#55 ARTA CR-Z GT(高木真一&小林崇志/BS)。GT500同様、タイヤ的にはGT300もBS勢が良い結果を残すこととなっている。3~4位にはアウディR8 LMS勢が続き、3位がAudi Team Hitotsuyamaの #21 Audi R8 LMS ultra(R.ライアン&藤井誠暢/ヨコハマ=YH)、4位が#86 Racing Tech Audi R8(C.マメロウ&細川慎弥/YH)だった。5位に前年ドライバーズチャンピオン陣営で、今季はマシンをメルセデスにスイッチした#0 グッドスマイル 初音ミク SLS(谷口信輝&片岡龍也/YH)。

6位には注目のマザーシャシー車勢の1台、#25 VivaC 86 MC(土屋武士&松井孝允/YH)が入った。比較的安価に購入できるマザーシャシーを使用して、それぞれの陣営が様々に工夫した“ガワ”を纏わせて独自のマシンに仕立て、その競争力を磨いて参戦するわけだが、そのマザーシャシー本格導入初年度の初戦で、いきなりの好結果となっている(予選でも4位)。

レース直前のウォームアップ走行ではスピンして壁に触ったシーンもあった#25 ハチロクだが、「それ以外は本当にノーミスのレースができた」と土屋は充実感を示す。「自分たちのチームの力は信じていたが、(時間不足で)タイヤのマッチング等には充分でないところもあったなかでのこの結果は、本当に価値があると思います」。現在持ち合わせている要素をすべて最高に引き出しての結果だったようだ。次戦以降の戦いも楽しみである。

ポール発進だった#10 GAINER TANAX GT-R(A.クート&千代勝正/ダンロップ=DL)は決勝7位。そのチームメイトで予選2位、昨年はチームチャンピオンを獲得している#11 GAINER TANAX SLS(平中克幸&B.ビルドハイム/DL)は決勝12位で開幕戦を終えている。

SUPER GTの次戦は5月2~3日、舞台は富士スピードウェイに移る。長いストレートを誇る富士で、GT300の戦いはまた新たな一面を見せてくれることだろう。

《遠藤俊幸》

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