岐路に差しかかるメディアビジネス、コンテンツと読み手の変容に対応できるかが鍵に

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「クリエイティブの生存条件 これから勝つメディア 生き残るクリエイター」
「クリエイティブの生存条件 これから勝つメディア 生き残るクリエイター」 全 5 枚 拡大写真

4月7日、「クリエイティブの生存条件 これから勝つメディア 生き残るクリエイター」と題されたトークセッションが渋谷ヒカリエにて開催された。

【画像全5枚】

登壇者は、宇野常寛氏(評論家、PLANETS 編集長)・佐藤詳悟氏(元吉本興業マネジメント担当者、2月にQREATOR AGENTを創業、現在代表)・佐渡島庸平氏(コルク代表)そして古川健介氏(nanapi 代表)。司会は高宮慎一氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー/CSO)が務めた。

ネット普及とともにコピーし放題のコンテンツにお金が払われない時代となった昨今、コンテンツはどのような役割を担うのか、メディアやクリエイターにとってコンテンツビジネスのマネタイズはいかに可能となるのか、という論点について議論が交わされた。

◆世代が下がるほどコンテンツにおカネを払わない

講談社で長年編集畑を歩んできた佐渡島氏は、ネットコンテンツにお金が支払われない問題を次のように整理する。「ネットコンテンツに対してお金を払いたい人も、またビジネスをする側もどのポイントで課金すればいいのかわからないのでは。今と昔では課金ポイントが違う。昔は(書籍・雑誌の購入という)所有権の移転だったが、ネットではソーシャルゲームに代表されるように“満足した時”が支払いタイミングとなる。しかし満足したタイミングでクレジットカード情報等を入れる手続きが出てきてしまうと、今度はその手間や時間を費やすほどは満足していないという状況に陥る」。その上で、今後は「課金の仕組みがどんどん簡単になっていき、ある場所においてはコンテンツに満足した分のお金を払うようなことが起きるのでは」と予測する。

これに対して宇野氏は「単純にコンテンツが飽和しているから払われないのでは」と分析。「飽和しているものにお金は払われない。コンテンツにお金を払うという感覚は世代が下がるごとに薄くなっているのが現状。これからいかにクリエイティブ(なコンテンツ)に対してマネタイズするか考えるには別の議論が必要なのでは」と述べる。

◆コンテンツは体験やコミュニケーションをドライブするものとしてかろうじて存在

その上で宇野氏は「ネットが普及してからこれまでの間にわかったことがある」と述べる。「人間は自分が応援しているコンテンツにお金を払うことが気持ちいい生き物。こんなにお金投じちゃったよ、という感覚。自分の好きなことについてブログ書く行為も気持ちいいこと。言い換えれば自己実現と絡んだもの」。したがって、これからのコンテンツのライバルには自己実現系のセミナー、自己開発のための講座が含まれてくるという。

宇野氏によれば、かつて隆盛を誇った日本の雑誌カルチャーは70-90年代の郊外在住ホワイトカラーの通勤文化と密接に結びついており、こうしたスタイルが崩れ去り、さらにネットとスマホの普及期に至ると「コンテンツは無料で公開しつつ、そのサポート集団を集めるモデルが今採用されてきつつある」と述べる。「こうした流れは、(スマートデバイス向けアプリのような)課金テクニックに関する議論よりも深い次元で動いているのでは」(宇野氏)。

さらにメタな次元で説明すれば「いまや(特に楽曲や映像などの)コンテンツは体験やコミュニケーションをドライブするものとして“かろうじて”存在し、コンテンツが付随している体験の方だけが買われてしまっている状況」と宇野氏は断じる。

◆プロモーションチャネルとしてのネットコンテンツの重要性

次に、マネタイズに話題が移る。今後ネットコンテンツはプロモーションチャネルとしての役割を果たしえる。マネタイズチャネルはコンテンツと分かれたところに存在すると佐藤氏が自社データをもとに述べる。

人を軸にデータを取り、コンテンツの役割を考察しているという佐藤氏。ブロガーの犬山紙子氏を例に流れを整理する。「犬山氏の流行りはネットが発端。ネットでバズったことがプロモーションになり、テレビ出演が増え、CMや講演の依頼が続いて増えていった」。したがってネットというのは直近で考えるとプロモーションの側面が大きいと言え、ネットでバズることを考えるときにいかにその人の価値を上げていくようなコンテンツを創るかを考えることが必要となる。もはやテレビやメディアに頼るよりも、面白い軸でその人のことをみて、考えることの方が重要。その魅力が色んな人達に伝わったら、その人への依頼が増える。そういった流れをやってみたい、と佐藤氏が語った。

《構成・まとめ 北島友和》

《北原 梨津子》

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